キャリアアップ助成金(正社員化コース)
文責 社会保険労務士 松井 宝史 最終更新日:2025.04.06
正社員化コース
キャリアアップ助成金(正社員化コース)
有期雇用労働者、短時間労働者、派遣労働者といったいわゆる非正規雇用の労働者(以下、「有期雇用労働者等」という。)の企業内でのキャリアアップを促進するため、これらの取組を実施した事業主に対して助成金が支給されます。
中小企業と大企業で支給額等が違ってきます。
中小企業の定義は、下記の表のようになっています。
どんな助成金
有期雇用労働者等の正規雇用労働者・多様な正社員等へ転換等した場合に助成する「正社員化コース」です。
就業規則または労働協約その他これに準ずるものに規定した制度に基づき、有期雇用労働者等を正規雇用労働者等に転換または直接雇用した場合に助成金が支給されます。
支給額
① 重点支援対象者:有期雇用労働者1人当たり80万円(40万円×2期)、大企業60円(30万円×2期)
② 重点支援対象者:無期雇用労働者1人当たり40万円(20万円×2期)、大企業30万円(15万円×2期)
③重点支援対象者以外:有期雇用労働者1人当たり40万円(40万円×1期)、大企業30円(30万円×1期)
④重点支援対象者以外:無期雇用労働者1人当たり20万円(20万円×1期)、大企業15万円(15万円×2期)
①、②、③、④合わせて、1年度1事業所当たりの支給申請上限人数は20人までです。
重点支援対象者とは
a:雇い入れから3年以上の有期雇用労働者
b:雇い入れから3年未満で、次の①②いずれにも該当する有期雇用者
①過去5年間に正規雇用労働者であった期間が合計1年以下
②過去1年間に正規雇用労働者として雇用されていない
c:派遣労働者、母子家庭の母等、人材開発支援助成金の特定の訓練修了者
※雇用された期間が通算5年を超える有期雇用労働者については無期雇用労働者とみされます。
正社員化コースにおいて、「多様な正社員(勤務地限定正社員、職務限定正社員および短時間正社員)」へ転換した場合には正規雇用労働者へ転換したものとみなされます。
加算額
①正社員転換制度を新たに規定し、当該雇用区分に転換等した場合(1事業所あたり1回のみ)20万円(大企業15万円)
②多様な正社員制度を新たに規定し、当該雇用区分に転換等した場合(1事業所あたり1回のみ)40万円(大企業30万円)
多様な正社員制度とは、勤務地限定・職務限定・短時間正社員いずれか1つ以上の制度をいいます。
受給のポイント
対象となる労働者
(1) 支給対象事業主に雇用される期間が通算して6か月以上の有期雇用労働者
(2) 支給対象事業主に無期雇用労働者として雇用される期間が6か月以上の無期雇用労働者
(3) 6か月以上の期間継続して派遣先の事業所その他派遣就業場所ごとの同一の組織単位における業務に従事している有期派遣労働者または無期派遣労働者
(4) 支給対象事業主が実施した有期実習型訓練(人材開発支援助成金(人材育成支援コース、事業展開等リスキリン儀支援コース、人への投資促進コース)によるものに限る。)を受講し、修了した有期雇用労働者等
② 正規雇用労働者等として雇用することを約して雇い入れられた有期雇用労働者等でないこと。(正社員求人に応募し、雇用された者のうち、有期雇用労働者等で雇用された者であって正規雇用労働者等として雇用することを約して雇い入れられた者ではないこと。)
③ 転換または直接雇用を行った適用事業所の事業主または取締役の3親等以内の親族以外の者であること。
※新規学卒者については、雇い入れられた日から起算して1年未満のものについては、支給対象者から除外します。
上記以外にも条件あります。
対象となる会社
(1) 有期雇用労働者等を正規雇用労働者または無期雇用労働者に転換する制度※1を労働協約または就業規則その他これに準ずるもの※2に規定している事業主であること。
(2) 上記(1)の制度の規定に基づき、雇用する有期雇用労働者を正規雇用労働者もしくは無期雇用労働者に転換、または無期雇用労働者を正規雇用労働者に転換した事業主であること。
(3) 上記(2)により転換された労働者を、転換後6か月以上の期間継続して雇用し、当該労働者に対して転換後6か月分の賃金を支給した事業主であること。
(勤務をした日数が11日未満の月は除く)
(時間外手当等を含む。以下、特別の定めがある時を除きすべてのコースにおいて同じ)
(4) 多様な正社員への転換の場合にあっては、上記(1)の制度の規定に基づき転換した日において、対象労働者以外に正規雇用労働者(多様な正社員を除く。)を雇用していた事業主であること。
(5) 支給申請日において当該制度を継続して運用している事業主であること。
(6) 転換後6か月間の賃金を、転換前6か月間の賃金より3%以上増額させている事業主であること。
(7) 当該転換日の前日から起算して6か月前の日から1年を経過する日までの間に、当該転換を行った適用事業所において、雇用保険被保険者を解雇等事業主の都合により離職させた事業主以外の者であること。
上記以外にも条件あります。
その他、詳細については、お問合せください。
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