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毎月の給与計算

文責 社会保険労務士 松井 宝史 2021.04.20

給与計算とは

給与明細書、社会保険料、税金の納付

■給与明細書の作成

■支給総額を計算します。

1.基本給などの固定的なものを記入
2.残業手当などの変動するものを計算して記入

■控除額を計算します。

控除額を計算します。

1.社会保険料

健康保険料
介護保険料
厚生年金保険料

標準報酬をもとに保険料が決まっている

令和3年3月保険料

雇用保険料

毎月変動する可能性があるので、毎月計算

2.源泉所得税

給与総額から健康保険料、介護保険料、厚生年金保険料、雇用保険料を差し引き、その差し引き後の金額に該当する税額を記入

3.住民税

住民税の金額は市町村から通知を受けるので、その金額をそのまま記入

4.協定控除

社宅費など

■支給総額-控除項目=差引支給額。 給与明細書のできあがり!

■差引支給額の支払

給与明細書を作成し、計算した給与の差引額を会社で定められた給料日に支払います。

■健康保険料(介護保険料を含む)と厚生年金保険料の納付

◎社会保険事務所から送られてくる納入告知書のもとづいて納付します。
◎口座から落ちるようになっている会社の方が大半になっています。
◎納付すべき額は、従業員から天引きした保険料と会社負担額の合計です。

当月分を翌月末日まで

■源泉所得税の納付

◎報酬・料金等の源泉所得税などとともに、納付します。
◎税務署から送られてくる源泉所得税の納付書に必要事項を記入して、銀行等の金融機関で納付します。

当月分を原則として翌月10日までに

■住民税の納付

◎各市町村へ、納付します。
◎各市町村から送られてくる納付書を使って銀行等で納付します。

当月分を原則として翌月10日までに

給与支給総額の計算

給与体系を確認しましょう
  基本給     (例)  
  諸手当

固定的給与

(原則として毎月同じ金額)

 役職手当
   資格手当
   家族手当
   住宅手当
 

変動的給与

(出退勤状況により変動)

 時間外労働手当
   休日労働手当
   深夜労働手当
   精皆勤手当

 

変動的手当の計算は、労働基準法の制約を受けます
  時間外労働手当 125%以上
  休日労働手当 135%以上
  深夜労働手当 25%以上

 

通勤手当と所得税の関係

通勤手当は他の諸手当と違って、一定金額までは所得税がかかりません

注意!!通勤手当は、所得税が非課税となっている部分についても、健康保険料、介護保険料、厚生年金保険料および雇用保険料の対象になります。

改正後の1か月当たりの非課税限度額は、次のとおりです。

区分 課税されない金額
(平成28年1月1日以後適用)
1.交通機関又は有料道路を利用している人に支給する通勤手当 1か月当たりの合理的な運賃等の額
(最高限度 150,000円)
2.自動車や自転車などの交通用具を使用している人に支給する通勤手当 通勤距離が片道55キロメートル以上である場合 31,600円
通勤距離が片道45キロメートル以上55キロメートル未満である場合 28,000円
通勤距離が片道35キロメートル以上45キロメートル未満である場合 24,400円
通勤距離が片道25キロメートル以上35キロメートル未満である場合 18,700円
通勤距離が片道15キロメートル以上25キロメートル未満である場合 12,900円
通勤距離が片道10キロメートル以上15キロメートル未満である場合 7,100円
通勤距離が片道2キロメートル以上10キロメートル未満である場合 4,200円
通勤距離が片道2キロメートル未満である場合 (全額課税)
3.交通機関を利用している人に支給する通勤用定期乗車券 1か月当たりの合理的な運賃等の額
(最高限度 150,000円)
4.交通機関又は有料道路を利用するほか、交通用具も使用している人に支給する通勤手当や通勤用定期乗車券 1か月当たりの合理的な運賃等の額と2.の金額との合計額
(最高限度 150,000円)

※ 通勤手当は、法律上、支給してもしなくてもどちらでもかまいませんが、支給している会社が多いようです
※ 通勤手当の支給額や支給方法は、会社によってさまざまです
※ 就業規則や給与規定で、通勤手当を支給する旨や支給方法が定められていれば、それにしたがって支給することになります

社会保険料の決定方法

3つの標準報酬月額の決定方法

標準報酬月額の決定方法には次の3つがあります。

① 資格取得時決定

入社し、被保険者となったときに入社後に受け取る報酬をもとに標準報酬月額を決定します。この資格取得時に決定された標準報酬月額は、取得日が1月から5月までの場合はその年の8月まで、6月から12月に取得した場合は翌年の8月まで適用されます。ただし③の随時改定が行われる場合を除きます。

② 定時決定

年1回7月1日現在に在籍する被保険者全員を対象に、4、5、6月の報酬をもとに標準報酬月額を見直し、再決定します。ここで決定した標準報酬月額は、③の随時改定に該当しない限り、原則として9月1日から翌年8月31日の間で適用されます。

③ 随時改定

昇給、降給などで固定的給与の額に変動が生じ、標準報酬月額に2等級以上の差が出た場合に標準報酬月額を改定します。ここで改定された標準報酬月額は、改定月が1月から6月までの場合はその年の8月まで、7月から12月までの場合は翌年の8月まで適用されます。

社会保険料の控除

事業主は、毎月の給与から、前月分の社会保険料を控除します。従業員の入社や退職などがあった月は保険料を控除する際特に注意が必要です。

入社時

新しい従業員が入社した場合、その月から社会保険の被保険者資格を取得し、社会保険料もその月からかかります。
ただし、社会保険料は翌月末日までに納付すればよいため、その月の社会保険料の控除は翌月の給与から控除します。

例)給与支払日が毎月25日の会社に、4月1日から新しい従業員が入社した場合
入社した4月分の社会保険料は、5月の給与から控除しますので、5月25日に支払われる給与から控除することになります。

 

退職時

従業員が退職した場合、社会保険の被保険者資格は退職日の翌日に喪失します。資格喪失日の属する月は社会保険料がかかりません。

例①)10月1日に退職した場合、社会保険の資格喪失日は10月2日です。
10月分の社会保険料は控除しません。
ただし、10月に支払われる給与から、9月分の社会保険料は控除します。

例②)9月30日に退職した場合、社会保険の資格喪失日は10月1日となり、9月分の社会保険料を徴収されることになります。
この場合、9月分の給与にて2か月分(8月分、9月分)の社会保険料を控除し、8月分を9月末日までに、9月分を10月末日までに納付します。

 

入社した月に退職した場合

入社したばかりの従業員がその月のうちに退職することがあります。このような、社会保険の資格取得日と資格喪失日が同じ月にある場合には、1か月分の社会保険料がかかります。

例)4月1日に入社し4月20日に退職した場合、4月分の社会保険料は4月分の給与から控除し、5月末までに納付します。

 

高齢者の場合

厚生年金保険では、70歳の誕生日の前日に被保険者資格が喪失されます。
健康保険では、70歳になっても被保険者資格を喪失するということはないため、健康保険料については引き続き控除する必要があります。

 

介護保険の控除

従業員が40歳の誕生日の前日を迎えると、介護保険の被保険者資格を取得します。取得日の属する月から保険料がかかりますが、実際に保険料を給与から控除するのは、翌月の給与支払日からです。

また、従業員が65歳の誕生日の前日を迎えると、介護保険の資格喪失となります。喪失日の属する月の分の保険料は徴収されません。
65歳以上となると、介護保険の第1号被保険者に切り替わり、受給する老齢年金から市区町村が保険料を徴収していきます。(年金額が18万円未満の方は、別途個人で納付します。)

源泉所得税の控除

●源泉所得税を控除する

○源泉徴収税額表を使って税額を求める

源泉徴収すべき税額を求めるためには、まず、支払う給与についてどの欄が適用されるのかを判定しなければなりません

月額表   

日額表

甲欄

乙欄

丙欄

○所得税は課税対象となる給与額から社会保険料を差し引いた後の金額にかかる
社会保険料控除後の給与等の金額 を求める!

○社会保険料は課税対象となる給与額から差し引く
(通勤手当のように非課税であるものを除いた額)

○甲欄を使用する場合には、まず「扶養親族等の数」を求める。

所得税は扶養親族等の数によって税額が異なる

●扶養親族等の数の求め方

○扶養親族等の数は従業員から提出してもらった「給与所得者の扶養控除等(異動)申告書」 をもとに求めます。

基本は・・・対象配偶者と扶養親族の合計数

本人が・・・障害者、老年者、寡婦、寡夫または勤労学生に該当するときは、その該当する数

控除対象配偶者や扶養親族が・・・障害者または同居特別障害者に該当する人がいるときは、その人数

このように実際の人数に、その条件によってプラスする場合があります。

税法上の扶養親族とは、六親等内の血族と三親等内の姻族のうち、本人と生計を同じくし、かつ、合計所得金額が38万円以下の人。

注意! ■年の途中で扶養親族等の数に異動があった場合には、

「給与所得者の扶養控除等(異動)申告書」を再提出

■申告書を受け取った後に支払う給与から新しい扶養親族等の数にもとづいて源泉徴収

●源泉徴収税額を求める

使用する源泉徴収税額表決定

社会保険料控除後の給与等の金額

扶養親族等の数

これをもとに、税額表を見れば、源泉徴収額が決定できます。

住民税の控除

●住民税を控除する

○住民税(市町村民税+都道府県民税)は市区町村から通知が来ます

特別徴収・・・住民税を会社で天引する

(参考)普通徴収・・・本人が自分で納付する

住民税は、社会保険料や所得税と違って、会社で計算する必要はなく、市区町村が通知してきた金額を控除すればよいことになっています。
市区町村は毎年5月31日までに「市区町村民税・都道府県民税特別徴収額通知書」によって会社に住民税の連絡をしますので、それに基づいて住民税を徴収します。

●住民税の注意点

住民税の特別徴収では、年税額を12で割った金額を毎年6月から翌年5月まで1年間にわたって毎月徴収します。

100円未満の端数がある場合には、これを6月分に加算して調整することになります。

6月分と7月以降分では金額が違いますので、控除するときに注意が必要です。

なお、住民税は前年の所得に対してかかるものであるため、前年の所得がなかった人や一定金額以下であった人については、かかりません。

労使協定による控除

●法定控除のほかに労使協定による控除があります

○社宅・寮費、親睦会費、財形貯蓄などを控除する場合

法定控除・・・社会保険料、所得税及び住民税は、給与を支給する際に必ず控除しなければならない

社宅・寮費、親睦会費、財形貯蓄など・・・会社が勝手に給与から控除することができない
↓↓

会社と従業員の代表者があらかじめ協定を結んでおかなければならない。(労働基準法に定められている)

協定内容は書面にしておく

従業員の代表とは

従業員の過半数を組織する労働組合があるときはその労働組合

そのような労働組合がないときは従業員の過半数を代表する人

就業規則、給与規定には次のように記載しておく

第○条 給与から社会保険料、所得税、住民税及び

従業員代表との協定により書面で定めたものを控除する。

給与の差し引き支給額

●給与の差引支給額を支払う

○「賃金支払いの5原則」に従って支払う

1.通貨払いの原則

給与は通貨で支払わなければなりません。

したがって、いわゆる現物給与は、原則として認められません。

ただし、労働協約(労働組合と使用者との書面による契約)に別段の定めがある場合には、現物給与も認められます。

また、通貨の代わりに小切手や手形で支払うことも、認められていません。

(例外・・・退職金・・・銀行振り出し小切手も可)

給与の口座振込・・・従業員の同意があればOK

(口頭でも書面でもOK)

★トラブル防止のために、様式を作ると便利

金融機関の名称

支店名

口座の種類

口座番号

本人の署名、押印

★配慮したいこと

複数の金融機関の中から選べるようにする

給料日の当日午前10時頃までには従業員が全額を引き出せるようにしておく

2.直接払いの原則

給与は従業員本人に直接支払わなければなりません。

×ダメ! 親が子に代わって給与を受け取る

×ダメ! 仕事を紹介した人が従業員本人に代わって給与を受け取る

○例外  使者として配偶者などに支払うことは認められています。

従業員本人が病気で会社を休んでいる

長期の出張中

3.全額払いの原則

従業員として受け取ることができる給与については、会社はその全額を支払わなければなりません。

強制貯金を禁止

○例外 法定控除、協定控除、懲戒処分としての賃金カット

給与計算の端数

○毎月の給与の差引支給額に100円未満の

端数が生じた場合、 50円未満を切り捨て、

50円以上を100円に切り上げることがでる。

○差引支給額に1000円未満の端数が生じた場合

1000円未満の端数を翌月の給料日に繰り越して支払うことができる。

4.毎月払いの原則

給与は少なくとも毎月1回は支払わなければなりません

×ダメ! 2ヶ月に1回、2ヶ月分の給与をまとめて払う

5.一定期日払いの原則

給与は一定期日に支払わなければなりません。

月給制・・・毎月10日、毎月25日、毎月末

×ダメ! 毎月第一月曜日

週給制・・・毎週月曜日

○例外  賞与や退職金のように臨時に支給されるものは毎月払いの原則と一定期日払いの原則は適用なし

社会保険料の納付

○健康保険・介護保険・厚生年金保険料の納付○

健康保険料(介護保険料を含みます)と厚生年金保険料は、事業主負担分と従業員の給与から控除した分の合計額を、翌月末日までに年金事務所に納付する必要があります。

納付金額は年金事務所から送付されてくる「納入告知書」に記載されていますので、事業主側で用意した金額(事業主負担分+従業員の給与から控除した分の合計)と一致することを確認してから納付します。

例)5月分の保険料は6月に納入告知書が送付されてきます。

そのため、6月に支払う給与から5月分の保険料を控除し、事業主負担分との合計額を6月末日までに納付します。

○雇用保険料の納付○

原則:毎年1回、労災保険料とともに労働基準監督署に納付します。

源泉所得税の納付

●控除した源泉所得税を納付する

○徴収した月の翌月10日までに納付

会社が給与を支払う際に控除した源泉所得税は、税理士等の報酬を支払う際に控除した源泉所得税などとともに、1ヶ月分をまとめて所轄の税務署に納付することになっています。

源泉徴収した月の翌月10日までに納付するのが原則です。

(給与所得・退職所得等の所得税徴収高計算書を使用)

納付先・・・会社所在地の所轄の税務署

税務署で直接支払うこともOK

郵便局や銀行などの金融機関でもOK

●10人以下の会社なら半年に一度でもよい

給与の支払いを受ける人が常時10人未満の会社では、源泉所得税の納付を半年に一度にすることができます。

(納期の特例)
↓↓↓
所轄の税務署長に対して「源泉所得税の納期の特例の承認に関する申請書兼納期の特例適用者に係る納期限の特例に関する届出書」を提出して、承認を受ける

住民税の納付

●控除した住民税を納付する

○翌月10日までに納付(所得税と同じ)

会社は従業員の給与から特別徴収した住民税の月割額を、翌月の10日までに通知を受けた市区町村へ納付
税額の納付は、市区町村から送られてきた納付書を使います。

市区町村の窓口

郵便局

銀行等の金融機関

●納期の特例

従業員が10人未満の会社については、市区町村の承認を受ければ納付を半年に一度とすることができます。

特例の場合・・・6月から11月までの分を12月10日までに納付

12月から翌年5月までの分を6月10日までに納付

注意! 所得税と住民税では、納期の特例の期間設定と納付日が違う

 

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