男性では、仕事量の増加や仕事の質的な変化、職務移動、転職、定年、仕事上の失敗など仕事に関する問題が、女性では、子供の病気、子供の独立、失恋、嫉妬のトラブルなど家庭内の問題や、月経、妊娠、出産などの女性としての身体変化が誘引として発病することが多いです。
職場における過酷なストレスによるうつ病、つまり一線を超えてしまったものは、治療と環境改善が必要となります。
内因性うつ病を患う人の病気前の性格としては、真面目、熱心、几帳面、凝り性などが挙げられます。
更に、協調性を重んじ、仕事の依頼を断るのが苦手で、心の切り替えもうまくない方です。
従来のパターンに固執し、それがために現状に適応しきれなくなり、そこに内因が絡んでうつ病を発症するのでしょう。
会社の健康相談室を訪れる従業員の多くは、倦怠感や、頭痛、動悸、めまい、ふらつき、下痢や便秘などの身体症状を訴えて来所しますが、詳しく症状を聞くとうつ状態、うつ病を呈している場合も少なくありません。
うつ病の診断は、自覚症状と他覚症状を合わせてなされます。
一般にうつ症状が2週間以上持続していると、うつ病と診断されます。
診察室でうつ病と疑われる症状は下記のものです。
1・多彩な訴えがある
2・とらえどころのない曖昧な症状がある
3・身体所見や検査結果に比べて症状が強い
4・すでにいろいろな検査をしても異常がなく、しかも症状が長く持続している
5・この症状さえとれたら、元気でやれそうな気がします、と答える
6・調子が悪くても休むかとができません、と答える
7・不眠、夜中や明け方の暗い時間帯に目が覚めてしまい、再び眠ることができず、朝を迎えてしまう。
うつ病の治療は、薬物療法、電気けいれん療法、精神療法などがあります。
薬物療法としては、副作用の少ないSSRI(選択的セロトニン再取り込み阻害薬)、SNRI(セロトニン・ノンアドレナリン再取り込み阻害薬)が多用されるようになってきました。
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