うつ病などの精神障害の労災保険申請

うつ病の労災申請でよく頂く質問について

文責 社会保険労務士 松井 宝史 2020.7.5

うつ病の労災保険申請について

いままでのうつ病の労災申請をてがけてきて、よく頂く質問を解説してみます。

労災申請をするときの参考にしていただければ、光栄です。

今もうつ病の労災申請を手掛けていますので、随時追加をしていく予定です。

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目次(よく頂く質問)

うつ病で労災申請をしようと思っています。どのくらいの期間で労災の認定結果が出ますか?

長時間労働でうつ病になったのですが、手元にタイムカードなどがありません。大丈夫でしょうか?

パラハラでうつ病になり労災申請しますが?

うつ病で労災認定の可否がきまる主要な要因は?

Q:質問内容1:うつ病で労災申請をしようと思っています。どのくらいの期間で労災の認定結果が出ますか?

回答です:労働基準監督署は、請求書が提出されると、その書類の形式審査を行います。会社の証明印があるか、主治医の先生の証明が記入されているか等を確認します。

その後、処理経過簿が作成され、それに基づいて審査が進んでいくようです。

申立書や同意書を労働基準監督署からいただき、その用紙に必要事項を記入して、すみやかに提出するお手伝いを当事務所では行っています。

この書類の提出が遅れれば遅れるほど、審査期間は延びていきます。

労災保険の請求書を提出すると、労働基準監督署は、主治医の先生に「意見依頼」という形で調査を行っていきます。

主治医の先生に対して、初診時の主訴、症状の経過、投薬内容、発病した疾患名に関しての診断根拠、発病時期に関する意見等を記入した「意見書」の作成が依頼されます。

発病の有無等に関する事実認定には、主治医の医学意見が必須であり、また必要に応じ、専門医又は専門部会のいずれかの医学意見が求められます。

主治医の先生が「意見書」の作成に時間がかかれば、審査の期間は延びることになります。いつも主治医の先生とは良好な関係を構築しておくことも大事だと思っています。

治療歴のない自殺の場合で、その方が死亡している場合は、事後に医学的な判断をするしかないため、その判断に必要な事実関係を認定すていくことになります。

このため、お亡くなりになった方のご家族や同僚等といった普段接触する機会の多い者から、亡くなった方の様子(心身の変調)等に関して、いつ頃から。どのような言動がなされたかを労働基準監督署の担当官が聴収することになります。

続いて、認定要件に該当するかどうかに関する調査が始まります。業務による出来事とその後の状況に関する調査です。

うつ病になった方、又はご遺族の方に労働基準監督署に来署していただいて、労働基準間億署の担当官がヒヤリングを行います。

いままで労災保険の申請をお手伝いさせていただいた方から聞いた話ですと、ヒヤリングはまる1日かかるそうです。

その後、会社の関係者に対して「出来事」などのヒヤリングを行っていきます。

担当官が、これらの聴取内容(ヒヤリング内容)について整理し、不整合部分があるかどうかの確認を行います。

必要に応じて再聴取や資料提供依頼等を行っていきます。

そして調査結果を取りまとめ、認定した事実関係における「業務による心理的負荷の評価」を行います。

労働時間の調査は、それを行うまdもなく明らかに業務上と認めらる場合を除き、実施されます。

具体的には、タイムカード、出勤簿、業務日報、賃金台帳等の労働時間が記録された資料を収集し、集計表による分析が行われます。

但し、うつ病の方やご遺族の方が、長時間労働の事実を主張していない場合や、発病前6か月の間に月の時間労働(休日労働を含む)が50時間を超える月がないケースは省略されるようです。

業務以外の心理的負荷及び個体則要因に関しては、原則として申立書により確認されることとなっています。

具体的には、認定基準の別表2(業務以外の心理的負荷評価表)において「Ⅲ」と評価される出来事の有無を申立書等により確認される方法が取られます。

個体則要因に関する調査は、既往歴、アルコール等依存状況、生活史を申立書の記載内容から確認されます。

最初に労働基準監督署から渡される「申立書」の記載はとても重要な書類となっています。

精神障害の既往歴がある場合は、主治医の先生に対し、発病時期、疾患名、病状、治療経過等に関する意見書が求められます。

認定要件の3点について取りまとめた後、専門家の意見聴取についての判断が行われ、事案に応じた意見が聴取されます。

最終的に労働基準監督署長が総合評価を行い、労災認定の可否を決定します。

精神障害事案の標準的な調査・決定の流れによれば、審査期間は6か月となっていますが、各々の調査が長引けば、更に調査に時間がかかると思われます。

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Q:質問内容2:長時間労働でうつ病になったのですが、手元にタイムカードなどがありません。大丈夫でしょうか?

回答です:労働時間の調査には、タイムカード、出勤簿、業務日報、賃金台帳等の労働時間が記録された資料を労働基準監督署が収集し、集計表による分析が行われます。

上記のような労働時間の記録が存在しないが、長時間労働でうつ病になったと主張する場合は、労働基準監督署が調査により、労働時間数を推計します。

1.うつ病になった労働者及び同じ職場の上司・同僚・部下等に聴収します。

2.会社の警備記録による就業者名簿や施錠者名簿、夜間金庫の利用時間、その労働者の使用していたパソコンのログイン・ログオフ履歴(ログ)、ファイルの更新日時、家族などとのスマホの通話、メール、ラインの送受信記録等の資料を収集します。

3.同一職場の上司・同僚・部下等の労働時間数からその労働者の労働時間数を推定できる場合は、それらの調査が行われます。

4.うつ病になった労働者の手帳、家計簿、カレンダーその他の労働時間や出勤時刻・退勤時刻のメモ等の資料の収集が行われます。

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Q:質問内容3:パラハラでうつ病になり労災申請しますが?

回答です:パラハラでうつ病になり労災申請しますが、労働基準監督署で渡された用紙はどうすればいいでしょうか?

労働基準監督署から渡された用紙は、休業補償給付の申請書だと思われます。

その用紙は、まず会社の総務担当者に渡していただき、労働保険番号を記入してもらい、会社の印鑑などを押してもらいます。

休業補償を請求する用紙なので、給付を受けとる銀行口座などを記入します。その後、主治医の先生に証明してもらう流れになります。

もし、会社が証明を拒んだ場合は、労災申請を手掛けている愛知労務までお問合せください。

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Q:質問内容4:うつ病で労災認定の可否がきまる主要な要因は?

回答です:私の友人が、現在会社をうつ病で休んでいます。健康保険の傷病手当金をもらっていますが、労災申請して認定の可否がきまる主要な要因は?

労災保険に認定されるかどうかは、労働基準監督署長が決めます。

まず労災保険の休業補償給付の申請を労働基準監督署にしていきます。

そうしますと、申立書と同意書をくれますので、その用紙に必要事項を記入して提出します。

認定要件については、このページをご参照ください。


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