うつ病などの精神障害の労災保険申請

うつ病の労災保険申請における認定要件

文責 社会保険労務士 松井 宝史 2020.07.4

労災保険の認定要件

労災認定のための要件は次のとおりです。

 

認定基準の対象となる精神障害を発病していること

②認定基準の対象となる精神障害の発病前おおむね6か月の間に、業務による強い心理的負荷が認められること

③業務以外の心理的負荷や個体側要因により発病したとは認められないこと

 

「業務による強い心理的負荷が認められる」とは、業務による具体的な出来事とその後の状態を主観的にどう受け止めたかではなく、同種の労働者が一般的にどう受け止めるかという観点から評価されます。

 

「同種の労働者」とは、職種、職場における立場や職責、年齢、経験などが類似する人をいいます。

認定基準の対象となる精神障害か

認定基準の対象となる精神障害は、国際疾病分類第10回修正版(ICD-10)第5章「精神および行動の障害」に分類される精神障害であって、認知症や頭部外傷などによる障害(F0)およびアルコールや薬物による障害(F1)は除かれます。

 

業務に関連して発病する可能性のある精神障害は、(F2)(F3) (F3) などです。

(F5)~(F9) は主として個人の生育環境、生活環境等に基づくものと考えられ、業務による心理的負荷との関連で発病することはほとんどないことされています。

また、いわゆる心身症は、認定基準における精神障害には含まれないとされています。

ICD-10 第5章「精神および行動の障害」分類
分類コード

疾病の種類

F0

症状性を含む器質性精神障害

F1

精神作用物質使用による精神および行動の障害

F2

統合失調症、統合失調症型障害および妄想性障害

F3

気分[感情]障害

F4

神経症性障害、ストレス関連障害および身体表現性障害

F5

生理的障害および身体的要因に関連した行動症候群

F6

成人のパーソナリティおよび行動の障害

F7

精神遅滞「知的障害」

F8

心理的発達の障害

F9

小児期および青年期に通常発症する行動および情緒の障害、特定不能の精神障害

 

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