脳梗塞(脳心疾患)
文責 社会保険労務士 松井 宝史 2023.04.04
脳梗塞
脳梗塞は、脳血管が詰まる病気です。
脳梗塞は、脳に酸素と栄養を与えている血管が詰まることによって起きる病気です。
血流が途絶えると、詰まった部分から先の脳細胞が壊死し、運動、言語、感覚などさまざまな障害が現れます。
脳梗塞の3つのタイプ
脳梗塞は、発症の仕方によって、アテローム血栓性脳梗塞、ラクナ梗塞、心原性脳塞栓症に分けられます。
アテローム血栓性脳梗塞
アテローム血栓性脳梗塞の原因は、脳の太い血管に生じた動脈硬化です。
糖尿病、高血圧、脂質異常などの生活習慣病が大きな危険因子となります。
動脈硬化の中でアテローム硬化というのは、血液中の余分なコレステロールなどが血管壁にたまった状態のことです。
アテロームはおかゆ状のかたまりで、たまればたまるほど血管の内腔は狭くなっていきます。
動脈の中は、常に勢いよく血液が血液が流れています。
そのため、動脈にいちばん内側の膜(内膜)は傷つくことが多く、補修を繰り返しています。
高血圧であればあるほど、さらには血管が狭くなればなるほど、動脈の壁にかかる圧力は高くなります。
このような状態の時に、強い圧力によってアテロームをおおう膜が破れると、補修のやめに血小板が集まり、血栓をつくります。
ただでさえ狭くなった動脈なので、血栓ができることで血液が流れにくくなり、最終的には血管を詰まらさせてしまいます。
そして、詰まった部位によって異なる症状が現れます。
ラクナ梗塞
脳の動脈は太い血管から細い血管へと枝分かれしをしながら深部に達しています。
太い血管から枝分かれした細い動脈を穿通枝(せんつうし)といいますが、ラクナ梗塞では、この穿通枝に梗塞がおきます。
ラクナ梗塞は、脳の奥深くにある1.5㎝未満の小さな梗塞が起きた状態をいいます。
ラクナ梗塞の原因は、高血圧による細い動脈の動脈硬化です。
高血圧によって細い血管の内腔に圧力がかかり、動脈硬化を起こして血管の内腔が狭くなり、血流が途絶えてしまいます。
ラクナ梗塞は、小さな梗塞であるため、梗塞を起こした箇所が少ない場合は、比較的軽症ですみます。
心原性脳塞栓症
心臓は一定のリズムで筋肉を収縮。拡張をさせて血液を全身に送り出しています。
心臓の筋肉の運動のリズムが乱れると、不整脈となります。
その不整脈の一種である心房細動が起きると、血液をスムーズに全身に送り出すことができなくなります。
その結果、血液が心房の内部によどみ、血液が固まって血栓ができやすくなります。
心臓でできた血栓は、頸動脈でできる血栓と違って、フィブリンという凝固蛋白で固められているので、大きくて溶けにくいという性質があります。
この血栓が動脈を通じて脳に運ばれ、血管を詰まらせてしまった状態が、心原性脳塞栓症です。
突然、脳の動脈が詰まってしまうため、病巣が一気に広がって重症化しやすいです。
心原性脳塞栓症は、ほとんどの場合、日中の活動時に突然起こることで、手足の運動麻痺、感覚障害、意識障害などが一気にあらわれます。
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担当:社会保険労務士 宮本 麻由美