脳梗塞(脳出血・くも膜下出血)、心筋梗塞、狭心症の労災保険の申請
文責 社会保険労務士 松井 宝史 2024.10.14
長時間労働による脳疾患
お勤め中のご主人がもし脳梗塞になって、会社を休むようになったらどうしたらいいでしょうか?
病院に入院し、治療を受けるようになったら大変ですね。
まずは会社の総務担当者にお話しして、健康保険の傷病手当金の手続きについて説明を受けてください。
欠勤4日目から傷病手当金の給付が出ることになっています
脳梗塞での労災申請の流れは下記のようになっています。
業務による明らかな負荷や長時間労働により、脳梗塞などの脳疾患が発症した場合、病院に入院したりして治療を受けることになります。
治療を受けている間、働けない状態となれば、健康保険の「傷病手当金」の申請をすることになります。
というのは、労災の認定がおりるのに時間がかかるからです。
傷病手当金の申請をしながら、労災保険の申請の準備をしていきます。
障害年金の請求で、初診日から起算して1年6か月を経過する前に障害認定日として取り扱うものがあります。
脳血管障害による機能障害が対象の疾病となっています。
初診日から6か月経過した日以降(固定と認められた場合)となっています。
傷病手当金は1年6か月もらえますが、同時に受給となった場合は、併給調整されます。
しかし、障害年金の受給開始(実際に年金の給付がある)は、申請してから4か月ぐらいかかってしまいます。
その間の生活費に困ってしまうので、主治医の先生が固定と言われたら、申請の準備に取り掛かりたいですね。
治療を終了ならば、傷病手当金が止まってしまう可能性もあります。
傷病手当金は、会社の給与の締め切り単位で毎月請求をしていきます。
最長通算して1年6か月給付があります。
脳梗塞で入院した人は、急性期からリハビリ期に入ると、転医などしてリハビリ専門病院でリハビリをしていきます。
言葉の障害や視野の障害、身体の麻痺の障害などが出てきますが、リハビリを一生懸命やって早く社会に復帰ができることを祈っています。
過重労働(過労)による脳疾患障害(脳梗塞、脳出血、くも膜下出血、高血圧性脳症)で本当に困っている方、悩んでいる方の相談に応じています
- 社会保険労務士と一緒に解決していきましょう
- 業務上の疾病について
- 長時間労働(過重労働)による脳梗塞の労災認定基準
- 令和3年9月14日付け基発第0914第1号で脳・心臓疾患の労災認定基準が改正されました
- 長時間の過重労働
- 短時間の過重業務・異常な出来事
- 対象疾病に追加
令和3年9月14日付け基発第0914第1号で脳・心臓疾患の労災認定基準が改正されました。
長時間の過重労働
労働時間と労働時間以外の負荷要因を総合評価して労災認定することを明確化
発症前1か月間に100時間または2~6か月間平均で月80時間を超える時間外労働は、発症との関連性は強いという水準には至らないがこれに近い時間外労働+一定の労働時間以外の負荷がある場合は、業務との発症との関連が強いと評価することを明示されました。

労働時間以外の負荷要因を見直し
・勤務間インターバルが短い勤務
・身体的負荷を伴う業務など
上記2つが評価対象として追加されました。
短期間の過重業務・異常な出来事
業務と発症との関連性が強いと判断できる場合を明確化
「発症前おおむね1週間に継続して深夜時間帯に及ぶ時間外労働を行うなど過度な長時間労働が認められる場合」等が例示されました。
対象疾病に追加
認定基準の対象疾病に「重篤な心不全」が追加されました。
脳・心臓疾患の認定基準の概要
1 基本的な考え方
(1)脳・心臓疾患は、血管病変等が長い年月の生活の営みの中で、形成、進行及び増悪するといった自然経過をたどり発症する。
(2)しかしながら、業務による明らかな過重負荷が加わることによって、血管病変等がその自然経過を超えて著しく増悪し、脳・心臓疾患が発症する場合がある。
(3)脳・心脳疾患の発症に影響を及ぼす業務による明らかな過重負荷として、発症に近接した時期における負荷のほか、長期間にわたる疲労の蓄積も考慮することとした。
(4)また、業務の過重性の評価に当たっては、労働時間、勤務形態、作業環境、精神的緊張の状態等を具体的かつ客観的に把握、検討し、総合的に判断する必要がある。
脳の損傷(高次脳機能障害)による後遺障害の障害等級の認定
脳・心臓疾患の対象疾病は下記のものとなります。

(1) 脳血管疾患
イ くも膜下出血
ウ 脳梗塞
エ 高血圧性脳症
(2) 虚血性心疾患等
ア 心筋梗塞
イ 狭心症
ウ 心停止(心臓性突然死を含む。)心室細動、心房細動(脳梗塞の原因になる)
エ 大動脈乖離
オ 重篤な心不全
不整脈から心房細動や心室細動になった場合 期外収縮
脳・心臓疾患の認定要件
認定要件
次の(1)、(2)又は(3)の業務による明らかな過重負荷を受けたことにより発症した脳・心臓疾患は、労基則別表第一の二第9九号に該当する疾病として取り扱う。
(1) 発症直前から前日までの間において、発生状態を時間的及び場所的に明確にし得る異常な出来事に遭遇したこと(異常な出来事)。
(2) 発症に近接した時期において、特に過重な業務に就労したこと(短期間の過重業務)。
(3) 発症前の長期間にわたって、著しい疲労の蓄積をもたらす特に過重な業務に就労したこと(長期間の過重業務)。
労働時間の記録から始めよう
残業代は、残業時間数に応じて支払われるべきものですから、会社の都合で固定された時間以上は支給しないという取り扱いは許されません。
厚生労働省は、労働時間を事業者が適正に把握していないことが、長時間労働に起因した過労死の背景にあると分析しています。
また、平成12年11月30日の中央労働基準審議会では、サービス残業の解消対策が必要との建議が出されました。
これらを背景として、平成13年4月6日に、厚生労働省は、「労働時間の適正な把握のために使用者が構ずべき措置に関する基準」という通達を出しました。(基発台339号)。
この通達は、労働時間の適正な把握のため会社の義務として、労働日ごとの始業・終業時刻を確認し、これを記録することを定めています。
また、この労働時間の確認方法は、原則として、会社が自ら記録するか(使用者の現認)、タイムカードなどの客観的な記録を基礎として確認し、記録することとされています。
やむを得ず労働時間の記録について、自己申告制をとる場合についても、会社は従業員に十分な説明を行い、必要に応じて申告と労働時間の実態について実態調査を行わなければなりませんし、適正な労働時間の申告を阻害する目的で時間外労働時間数の上限を設定するなどの措置を講じることは禁じられています。
さらに、労働時間の記録に関する書類(タイムカードや残業命令書等)の保管については、労基法109条の3年の保存期間が適用されます。
適正な残業時間の申告を妨害する目的で固定された時間の残業打切りを定めている場合は、この通達に違反していることを理由として、労働基準監督署から、会社に対して、タイムカードの導入・残業打切り制度の廃止を指導・勧告してもらうよう、要求することができます。
当面の対応としては、実際の労働時間を、手帳などにメモして、記録として残しておくことが、労働基準監督署に相談する上でも重要です。
労災保険の給付、審査請求、再審査請求について社会保険労務士として支援いたします。
長時間労働による脳梗塞につきましては、一度はお気軽に当事務所までお問い合わせください。
違法なサービス残業を是正させるには次のやり方があります
1.労働行政の機関としての労働基準監督署に指導・監督を求める申告(労働者本人が行うもの)・通告(それ以外の第三者が行うもの)
2.司法警察員としての労働基準監督署に刑事事件として捜査・送検を求める告訴(労働者本人が行うもの)・告発(それ以外の第三者が行うもの)
3.労働者本人がサービス残業代を請求する民事訴訟
サービス残業の是正そのものに主眼を置く場合は、第三者として通告を行うのが効果的です。それが過労死の予防に大いに役立ちます。
もしご主人にも知られたくない場合や、反対された場合は、匿名で通告することもできます。
労働基準監督署の担当者に事情を話せば、あなたが通告したことをご主人や会社に知られないようにも配慮しながら調査・指導をしてくれます。
もちろん、その場合でも、労働時間に関する資料や情報の提供など、労働基準監督署に対してできる限り協力することが必要です。
労働時間の把握方法
申請者側で用意できるものがあれば、そろえていきましょう。
用意できない場合は、労働基準監督署に申立をしていきましょう。
参考までにどのようなものが考えれるか列挙してみました。
1 タイムカード
2 ICカード、IDカード
3 パソコンのログデータ
ログイン、ログアウトの時間
4 メールやチャット、LINEなどの送信記録
5 タコグラフ
6 グループウェアの記録
7 会社や店舗の警備記録、入退記録
8 日報
9 本人の手帳



