長時間労働で心不全 社会保険労務士法人愛知労務

心不全(虚血性心疾患等)

文責 社会保険労務士 松井 宝史 2023.03.28

過重労働による心不全

心不全

心不全は、心臓の働きが弱まり、体に十分な血液や酸素を送れなくなった状態をいいます。

心不全になると、心臓が十分に収縮や拡張ができなくなります。

心臓のポンプ機能が低下します。

心臓のポンプ機能が低下すると、心臓が送り出す血液の量が少なくなり、肺や全身に血液がたまります。

ポンプ機能が低下した心臓は、無理をして血液を送り出そうとして、心臓の筋肉(心筋)に負担がかかり、心筋が厚くなる心肥大が起こります。

また、心臓に血液が多くたまるため、心臓が大きくなる心拡大が起きます。

その結果、心臓にかかる負担が増大し、心不全がますます悪化していきます。

 

心不全の原因

心不全の原因で最も多いのは、心筋梗塞です。

次に多いのは高血圧です。

そのほか、狭心症、心筋症、心臓弁膜症、不整脈です。

すべての心臓病も悪化すると最終的に心不全になります。

また、貧血、慢性肺疾患などの低酸素の病気、甲状腺機能亢進症、糖尿病などの代謝異常なども心不全の原因となります。

心不全を見つけるための検査

心不全を見つけるための検査は、心電図、胸部エックス線、心エコー(心臓超音波)、血液検査です。

胸部エックス線検査は、心不全で起きる心肥大、肺のうっ血を見つけることができます。

心エコー検査は、心不全の診断のほか、重症度や治療効果を調べたり、心不全の原因となっている病気の診断に有効です。

血液検査は、心室に負荷がかかると分泌されるBNP(脳性ナトリウム利尿ペプチド)の濃度をはかることで、心不全が起きているかしることができます。

心不全の予後

一般的に、心不全の予後は、不良です。

心臓の機能が低下すると、全身に十分な血液(酸素)を送る出せなくなります。

すると、内臓に水分がたまり、呼吸困難、息切れ、動悸、むくみ、体重増加などの症状が現れます。

こうした症状が急激に悪化する状態を「急性心不全」、ふだんは特に症状が出ないが無理をした時などに症状が悪化する状態を「慢性腎不全」といいます。

心不全は、悪化と回復を繰り返しながら、徐々に進行していく病気です。

適切な治療を継続し、生活スタイルの管理をしっかり行い、できるだけ心臓に負担をかけなければ、普通の日常生活を送ることは十分に可能です。

心不全で注意しなければならないことは、呼吸困難の悪化と体重増加です。

心不全の4つのステージ

心不全の進行は、次の4つのステージに分けられます。

重篤な心不全は、ステージDとなります。

・ステージA・・・高血圧や糖尿病など、将来の心不全につながる危険因子をかかえているが、まだ心不全の症状があらわれていない段階です。

・ステージB・・・心不全の症状はないが、心肥大や心拍出量の低下などの異常があらわれてきた段階です。

・ステージC・・・心臓の異常だけでなく、息切れやむくみ、食欲不振、腹部膨満感、低血圧などの心不全症状があらわれてきた段階です。

・ステージD・・・治療が困難なほど心不全が悪化した段階です。

心不全のさまざまな症状が現れます。


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