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就業規則とは

文責 社会保険労務士 松井 宝史 2021.05.02

就業規則の役割

労働条件や職場のルールがはっきりし、トラブルのない明るい職場づくりに役立ちます。

労働条件を結んだときに示された労働条件と現実のそれが違っていたために、労使間でトラブルが発生するといったことも少なくありません。

こうしたことを避けるためにも、労働条件や職場のルールをはっきりさせ、就業規則で明確にしておく必要があります。

就業規則作成は、労使間のトラブルのない明るい職場づくりの第一歩といえます。

就業規則の作成義務

常時10人以上の労働者を使用する使用者は必ず就業規則を作成しなければなりません。

労働基準法第89条は、「常時10人以上の労働者を使用する使用者は、次に掲げる事項について就業規則を作成し、行政官庁に届けなければならない」と規定し、各事項について変更した場合にも、行政官庁に届け出を義務づけています。

このように、パートタイマーやアルバイトなども含め常時10人以上の労働者を使用する事業場では、就業規則を作成し、行政官庁に届け出なければなりません。

一方、規模10人未満の事業場には就業規則は課せられていないことになりますが、零細企業であっても労働条件を明示する義務があることは規模10人以上の場合と同様です。規模10人未満の事業場であっても、就業規則を作成しておくことが望ましいと言えます。

もっとも、それを行政官庁に届け出る必要はありません。

労働者の意見聴取

就業規則の作成、変更時には、その事業場の労働者の過半数を代表する者の意見を聴かなければいけません。

労働基準法第90条によれば、使用者は、就業規則を作成し、または変更するときには、その事業場の労働者の代表者の意見を聴かなければなりません、となっています。

就業規則は、使用者が作成すべきものです。

それだけに、使用者が過酷な労働条件を含んだ就業規則を一方的に作成することも可能となります。

こうした弊害を除くために、就業規則の作成・変更時に労働者がそれに関わる機会を与えているわけです。

労働者の代表者とは・・・

・労働者の過半数で組織する労働組合がある場合にはその労働組合

・労働組合がない場合や労働組合があっても組合員数がその事業場の労働者の過半数を占めないときは労働者の過半数を代表する者

パートタイマーなどの短時間労働者に係る就業規則を作成・変更するときは、上記の労働者の代表者に加え、その事業場で雇用される短時間労働者の過半数を代表する者の意見を聴くことも求められています。

労働基準監督署長への届出

就業規則を作成・変更したときは、労働者の代表者の意見書を添えて行政官庁(労働基準監督署長)へ届け出なければなりません。

パートタイマーなども含めて常時10人以上の労働者を使用する使用者は、就業規則を作成・変更したときは、これに関する労働者の意見を聴き、それを代表者が記名押印した文章にして就業規則に添えて所轄の労働基準監督署長に届け出なければなりません。

労働者への周知

就業規則に関し使用者に求められるものは、労働者にその内容を周知させることです。

就業規則が労働条件や職場規律を定めたものであるので、個々の労働者全員がその内容を良く知っていなければなりません。

そのためには、就業規則を作成・変更した時は、一定の見やすい場所に掲示するか備え付けて、労働者全員がそれを見て内容を知ることができるようにしておかなければなりません。

絶対的必要記載事項

就業規則には、労働基準法第89条に掲げられていますように、記載しなければならない事項があります。

しかし、これらの中でも、労働契約の基礎となるような大切な事項については、労働者の生活に直接影響を与えることになりますので、必ず就業規則に記載しなければなりません。

この必ず記載しなければならない事項を「絶対的必要記載事項」といいます。

1.始業及び終業の時刻、休憩時間、休日、休暇並びに労働者を2組以上に分けて交替に就業させる場合においては就業時転換に関する事項

2.賃金(臨時の賃金等を除く。)の決定、計算及び支払の方法、賃金の締切り及び支払の時期並びに昇給に関する事項

3.退職に関する事項(解雇の事由を含む。)

相対的必要記載事項

就業規則には、絶対的必要記載事項のほかに、現実にその事業場で定め、あるいは採用されている制度などがあれば、これも必ず記載しなければなりません。

これを「相対的必要記載事項」といいます。

1.退職手当の定めをする場合においては、適用される労働者の範囲、退職手当の決定、計算及び支払の方法並びに退職手当の支払の時期に関する事項

2.臨時の賃金等(退職手当を除く。)及び最低賃金額の定めをする場合においては、これに関する事項

3.労働者に食費、作業用品その他の負担をさせる定めをする場合においては、これに関する事項

4.安全及び衛生に関する定めをする場合においては、これに関する事項

5.職業訓練に関する定めをする場合においては、これに関する事項

6.災害補償及び業務外の傷病扶助に関する定めをする場合においては、これに関する事項

7.表彰及び制裁の定めをする場合においては、その種類及び程度に関する事項

8.前各号に掲げるもののほか、当該事業場の労働者のすべてに適用される定めをする場合においては、これに関する事項


 

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