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就業規則の豆知識
セクハラは会社にも損害賠償責任を請求されます
残業中二人きりになったときなど、上司からたびたびセクハラを受けます。上司は社長の信任もあつく、断ってもセクハラを辞めようとしません。
こうした上司を放置すると会社は訴えられますか?
セクハラについての法律としては今のところ罰則はありませんが、民事賠償の対象になります。
民事上は、上司に対して不法行為責任(民法709条)、会社に対して不法行為責任(民法715条)、債務不履行責任(第415条)を追求することができる場合があります。
•不法行為責任(民法709条)→セクシュアル・ハラスメントは、それを受けた被害者の人格権を侵害する不法行為である
•不法行為責任(民法715条)→使用する労働者が「その事業の執行につき」行った行為が第三者に損害を与えた場合、使用者に損害賠償責任がある。
•債務不履行責任(第415条)→労働契約に付随する使用者の義務として、セクシュアル・ハラスメントが起きないように職場環境を整備する責任がある。
最近の例として「某銀行京都支店」の事件を見てみましょう。
京都地裁 平成13年3月22日
【原告】 女性労働者
【被告】 元支店長、会社
【概要】
女性は1997年11月、元支店長に誘われて食事をした後、京都市内のホテルの会員制クラブで強引にキスされたり、胸を触られるなどした。
翌日から吐き気や難聴などが続き、翌98年6月に退職せざるを得なくなった。
これに対して、裁判長はセクハラを認定し、さらに会社の使用者責任も認め、双方が連帯して約680万円を支払うよう命じた。
争点となった会社の使用者責任について、元支店長が普段から「職場内のコミュニケーションのため」と称してこの女性と2人で食事をしており、今回もその一環と考えられる点や、会員制クラブは支店長だから利用出来たことなどから、職務との関連性を認定。セクハラの被害後も女性が苦しんだのは、会社のセクハラ対策が不十分だったためと指摘、民法の使用者責任に基づく会社の賠償責任を認めた。
セクハラ
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