通勤災害の頭蓋骨骨折
文責 社会保険労務士 松井 宝史 2023.04.16
頭蓋骨骨折
頭蓋骨骨折は、骨折の状態や部位によって単純骨折と複雑骨折、円蓋部骨折と頭蓋底骨折、陥没骨折と線状骨折などに分けられます。
頭蓋骨の骨折自体だけでなく、脳挫傷やびまん性脳軸索損傷など、脳損傷の合併が問題となります。
特に陥没骨折の場合は脳損傷の合併が、頭蓋底骨折の場合は頭蓋内感染の合併が問題となります。
また、開放骨折は危険で、緊急手術が必要です。
頭蓋底骨折(頭蓋骨の底にあたる部分)の骨折の場合、神経損傷や鼻、耳などの障害を合併することもあり、注意が必要です。
頭蓋骨骨折の分類
頭蓋骨の骨折は、骨折部位により円蓋部骨折と頭蓋底骨折に分けられます。
更に円蓋部骨折は、骨折の状態により線状骨折や陥没骨折などに分けられます。
・円蓋部の線状骨折
円蓋部は文字通り、頭蓋骨の蓋のような部分です。
頭蓋骨が衝撃を受け、線状に割れた状態を線状骨折といいます。
線状骨折の場合、意識障害がなければあまり心配は要りません。
脳損傷やびまん性脳軸索損傷、硬膜外血腫などがある場合は注意が必要です。
・円蓋部の陥没骨折
円蓋部が陥没した状態です。
子供は頭蓋骨が柔らかいため、衝撃が加わった場合に線状骨折よりも陥没骨折になることが多いようです。
陥没骨折自体はあまり心配は要りませんが、脳の圧迫、脳挫傷、血腫などがある場合は外傷性てんかんを引き起こす原因ともなり得るため、手術が必要となります。
・頭蓋底骨折
頭蓋骨の底の部分の骨折です。
頭蓋底はぼこぼことして穴があいており、その穴の中を神経が通っています。
そのため、頭蓋底骨折の場合は神経損傷の危険があります。
脳神経が傷つくと脳神経麻痺を起こしますし、視神経が傷つくと失明の危険もあります。
また、耳や鼻の穴から脳脊髄液が漏れ出る髄液漏の状態になると、頭蓋内に細菌が入って髄膜炎を引き起こしたり、頭蓋内に空気が入って気脳症を引き起こしたりします。
電話:0533-83-6612 (初回相談無料です)
担当:社会保険労務士 宮本 麻由美
mail:maturom@mtj.biglobe.ne.jp
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