労災事故の示談の相手
文責 社会保険労務士 松井 宝史 最終更新日:2021.02.23
死亡災害が発生しました。その際の示談の相手は誰になるのでしょうか
遺族については、順位が決められております。
労働基準法に基づき、遺族は労働基準法施行規則で次のように定められています。
①配偶者…遺族補償が受けられる人は、労働者の配偶者(婚姻の届出をしなくても事実上婚姻と同様の関係にある者を含む)です。
②子または父母・孫または祖父母…配偶者がない場合には、遺族補償が受けられる人は、労働者の子、父母、孫及び祖父母で、労働者の死亡当時その収入によって生計を維持していた者または労働者の死亡当時これと生計を一にしていた者とし、その順位は、上記に記載した順序となります。
また、この場合において、父母については、養父母を先にし実父母を後にします。
③兄弟姉妹…上記に該当する人がいない場合は、兄弟姉妹とし、その順位は、労働者の死亡当時その収入によって生計を維持していた者または労働者の死亡当時その者と生計を一にしていた者を先にします。
なお、労働者の死亡の当時胎児であった子が出生したときは、遺族補償の適用については、将来に向かって、その子は、労働者の死亡の当時その収入によって生計を維持されていた子とみなすことになっています。
遺族補償を受けられる同順位の者が2以上ある場合には、遺族補償はその人数によって等分されます。
ただし、実際の労災保険請求においては、複数の遺族からの請求を避けるため、代表者を選任して請求するように労働基準監督署から求められます。
遺族補償を受けていた者が死亡した場合には、その者にかかる遺族補償を受ける権利は消滅します。
この場合には、①と②の規定による順位の者よりその死亡者を除いて、遺族補償が行われます。
遺族補償の受給権者の範囲が法律で定められていますので、遺族相続に関する考え方は適用しません。
また、被災者の子であれば、被災者が離婚した後であっても、子としての立場は変わりませんので、上記の要件を満たせば受給権があるということになります。
愛知労務の連絡をLINEでできるようにしました。
下記バナーをクリックしていただき、お友達登録をお願いします。
労災保険お役立ち情報 に戻る