脳の器質障害(高次脳機能障害)5級認定事例 通勤途中の交通事故 労災保険申請

通勤災害 脳の器質障害(高次脳機能障害)5級認定事例

文責 社会保険労務士 宮本麻由美 最終更新日:2024.07.11

高次脳機能障害(通勤災害5級認定)

今回の相談者は、事故から8か月経過し主治医よりそろそろ治療終了(症状固定)と言われ、頸椎付近の痛みが取れないので、その部位の後遺障害申請を希望されていました。

この事故は自宅から会社に通勤途中の事故で、病院の治療費と休業損害は相手保険会社が対応していました。

当事務所の対応

まずは お手元にある診断書を送付していただきました。

診断書の事故当時の診断名は、脳挫傷・急性硬膜下血腫・頸椎捻挫となっていました。

脳挫傷・急性硬膜下血腫の場合は、高次脳機能障害が疑われます。

そこで ご主人に相談者の日常生活がどのような状況かを記入してもらうために日常生活状況報告書を送付し記入していただきました。

高次脳機能障害の疑いがある為、私が大分で探した病院に相談し、脳のMRIを撮っていただきました。

ご家族・ご本人に面談して高次脳機能障害の障害申請をすることにしました。

というのは、MRIの画像に異常がありました。(脳の萎縮がありました)

労災の障害申請書類(労災先行)

整形外科と脳外科2か所の病院で診断書を記入していただきました。

保険会社から休業損害を100%もらっていましたが、休業特別支給金ももらえるので労災保険の休業特別支給金申請も記入していただきました。

障害給付請求書、休業特別支給金請求書、第三者行為届等を相談者がお勤めの会社に書類取り付けをしました。

そして、第三者行為届の一部分を相手保険会社に記入をお願いしました。

労働基準監督署提出

労災の障害給付請求書については、整形外科と脳外科の2つの病院の診断書の証明をお願いしました。

それと併せて労災保険専用の高次脳機能障害書類を脳外科の病院で証明をもらいました。

身体の申立書等については、私の方で取りまとめをしました。

休業特別支給金請求書と賃金を証明する関係書類一式を相談者のお勤めの会社から取り寄せました。

それらの書類一式を労働基準監督署送付して、1か月経過後、障害認定日の連絡が労働基準監督署の担当者から私のところに連絡がきました。

認定の日に、ご本人・ご主人・私の3名で労働基準監督署にお伺いしました。

高次脳機能障害の等級決定の場合は、ご本人とご家族からの聞き取りが必要になります。

労災障害等級決定

労働基準監督署の聞き取り調査から1月経過後に、障害認定結果のハガキがご本人のところに到着しました。

後遺障害等級、脳の器質障害5級、頸椎捻挫14級、併合5級という決定通知になっていました。

後遺障害5級(障害年金)

①給付基礎日額×給付基礎日数(184日)

12,583円×184日=2,315,272円(年金)

②障害特別支給金 225万円(一時金)

③障害特別年金 事故前の1年間の賞与合計金額÷365日×184日

885,000円÷365日×184日=446,137円(年金)

①と③はご本人が亡くなるまで年金として支給されます。

高次脳機能障害の労災認定基準

労災保険における高次脳機能障害の認定基準は、4つの能力がどの程度失われているかで判定されます。

今回の5級においては、極めて軽易な労務のほか、服することができないものとなっています。

4つの能力(意思疎通能力、問題解決能力、持続力・持久力、社会適合性)のいずれか1つ以上の能力が大部分が失われているものとなっています。

「大部分が失われているもの」は、「全部失われているもの」より1ランク軽い程度ということです。

例えば、意思疎通能力の大部分が失われているといいますと「職場で他の人と意思疎通を図ることは著しく困難があり、何度も聞き返さないとその言葉の意味が分からない」などです。

主治医の先生が、労働基準監督署からの医療照会で書類を記入して提出します。

アフターケア申請書類作成(健康管理手帳)

脳器質性障害に係るアフターケアを私の方で書類を作成し、申請をしました。

健康管理手帳が交付され、月1回程度の診察、保健指導・検査等が病院で無料で受診可能となりました。

今回の労災後遺障害等級決定に、ご本人・ご家族ととも大変満足なされていました。

最初は、むち打ち症の「頸椎捻挫」だけの申請になるところでした。(14級相当)

それが、5級の認定となり、多額の年金給付へとつなげることができました。

今回の相談者は、顔の醜状で相談があり、後遺障害12級がとれた方の紹介でした。

障害申請に関しては、労災先行しました。

その後自賠責の後遺障害を申請しましたが、等級は7級になったそうです。

今回の労働基準監督署障害認定は、九州大分の労働基準監督署でしたが、愛知県から同行させていただきました。

全国、私が同行しますので、ご安心くださいませ。

労災保険の申請を会社が手続きを渋る時は、愛知労務の社会保険労務士が手続き代行をしております。

電話:0533-83-6612 (初回相談無料です)

担当:社会保険労務士 宮本 麻由美

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〇参考リンク

労災保険認定事例
厚生労働省「『アフターケア』制度のご案内

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