審査請求で鎖骨の変形12級5号、併合9級認定事例
文責 社会保険労務士 松井 宝史 最終更新日:2022.01.27
当事務所の審査請求認定事例の一部をご案内させて頂きます。
M様(40歳代男性)
M様は、当事務所の3年前に労災保険の申請をしたお客様にご紹介頂きました。
紹介をいただいた時、自転車による通勤災害ということが判明しましたので、障害特別支給金の申請を進めていこうということになりました。
自賠責保険の後遺障害の等級認定は、書類を見させていただいたところ、左肩鎖関節脱臼後の左鎖骨の変形で第12級5号、左肩関節の機能障害で第12級6号、併合11級の認定となっていました。
治療は、労災保険は使わず、自賠責保険で行っておりましたので、第三者行為災害届の書類作成、提出からスタートとなりました。
上肢のお怪我でしたので、休業はしておらず、障害特別支給金の書類作成、提出を行いました。
平均賃金を計算するために、休業給付の3ヶ月間の給与と過去1年間のボーナスを記入するということで、M様の勤務先と連絡を取り合い、給与明細書、タイムカード、雇用契約書などを手配させて頂きました。
労働基準監督署に書類を提出
障害特別支給金申請書等の書類をM様の勤務先を管轄する東京の労働基準監督署へ送付し、その約1ヵ月後に認定日となりました。
当事務所の労災専門に手続をしております社会保険労務士1名が労働基準監督署の認定に同行させて頂きました。
審査にだいぶ時間がかかり(相手任意保険会社が資料をなかなか送ってこなかったこともあり)、4ヵ月後に支給決定通知がM様に届きました。
M様に届いた一時金支払決定書よりますと障害等級は10級となっていました。肩関節の可動域制限が12級のひとつ上の認定で10級という結果でした。
肩の関節の可動域制限については、屈曲と伸展の角度を、左肩と右肩で比べて決定をします。
肩関節の屈曲は、腕を前方から真上に挙げる時の角度を計測します。
伸展は、腕を後方へ動かす時の角度を計測します。
12級の場合は、肩関節の可動域が健側(骨折しなかった方の肩)と比べて、可動域角度が4分の3以下の制限されているものをいいます。
10級の場合は、2分の1以下に制限されているものをいいます。
労災保険の等級の認定は、労働基準監督署の顧問医が、認定日に測定します。
自賠責保険の方は、書類審査のみなので、労災保険の方が高い等級が取れることが多くなっています。
もうひとつの鎖骨の変形が認定されませんでしたので、M様と相談し、審査請求をすることになりました。
審査請求は支給決定があったことを知った日の翌日から3か月以内に申請となっていますので、至急「労働保険審査請求書」の作成等にとりかかりました。
審査請求書には、肩の変形した部分の写真をお風呂を出た時に、本人の家族に撮ってもらい審査請求書と一緒に提出をしました。
審査請求を提出して3ヵ月後に、「一時金給付変更決定通知書」と「決定書」がM様に届きました。
拝見しましたところ、鎖骨の変形について12級5号を認めるという内容になっていました。
併合して9級に認定となりました。
労災保険の申請につきましては、不服申立てということで審査請求をすることができますので、諦めずに申請をすることをおすすめ致します。
労災保険の申請を会社が手続きを渋る時は、愛知労務の社会保険労務士が手続き代行をしております。
電話:0533-83-6612 (初回相談無料です)
担当:社会保険労務士 宮本 麻由美
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〇参考リンク
労災保険認定事例
厚生労働省「『アフターケア』制度のご案内」