股関節脱臼骨折で労災保険10級認定事例(業務中)
文責 社会保険労務士 松井 宝史 最終更新日:2023.01.30
T様 40歳代男性
業務中の自動車事故で股関節脱臼骨折を負いました
業務中の交通事故で右足の股関節脱臼骨折という重いお怪我をされたT様と面談をさせて頂きました。
営業で車に乗ってお客様の会社に向かう途中、わき道から急に出てきた車と衝突してしまい、膝がダッシュボードにぶつかって、股関節が脱臼してしまいました。
事故からちょうど1年ほど経った頃、T様のご自宅近くの新幹線の駅にある喫茶店での面談となりました。
治療については、労災保険を使用していました。
というのは相手の保険会社の人身担当者が1か月経った頃に自賠責保険から労災保険での治療に切り替えて欲しいと言ってきました。
結構何度も電話があるので、会社の総務担当者と相談して切り替えをすることにしたそうです。
第三者行為災害届の作成・提出は、相手の保険会社の紹介の社会保険労務士の方が手続きをしてくださっていました。
休業損害については、100%を加害者側保険会社に請求をし、20%の休業特別支給金の申請を会社の担当者がすでにされていました。
治療の終了をいつにするのか
T様と面談したところ、現在は、経過観察をしており、いつ頃治療を終了して、後遺障害の申請をすればいいかお悩みでした。
右股関節の痛みと可動域制限がまだかなりあり、リハビリを頑張っておられました。
今後の労災保険申請のアドバイスと労災保険の手続一切を愛知労務の方で行わせていただくことになりました。
股関節には手術によりプレート固定がなされており、これを抜釘してから症状固定とするか、事故から既に1年経ったので抜かずに症状固定するかお悩みでした。
最終的には、T様ご自身も主治医の先生と相談され、抜釘手術をした後、症状固定とし、仕事復帰のプランでいくことになりました。
復帰するには、仕事も営業職なので、自動車の運転ができるというのが条件でもありました。
障害補償給付の申請
労働基準監督署の担当官と連絡を密に取り、愛知労務の方で障害補償給付支給申請書の準備を進めて参りました。
手術を行った主治医の先生宛ての障害補償給付支給申請書の証明のお願いの文章を作成させて頂きました。
T様は股関節の可動域制限がかなりあり、主治医の先生が証明してくださった「股関節の屈曲・伸展の角度」が10級相当となっていました。
つまり、右股関節と左股関節の屈曲と伸展の角度の合計が、50%以下に制限されていました。
また、民事上の賠償の示談交渉より労災を先行し、軍資金を手元にとっておき、その後弁護士にご依頼して交渉をしっかりしたいという要望がありました。
また、労災保険の方が高い等級に認定されるという点も説明させていただきました。
労働基準監督署に労災先行するために「第三者賠償請求調整確認書(同意書)」を提出しました。
この書類を提出すると、自賠責保険の決定を待たずに労災保険の障害補償給付を先に処理をしてくれます。
労働基準監督署の担当官は、相手の保険会社の人身担当者に確認を書面でして、労災保険先行へと進んでいきました。
この用紙は、労災保険の認定を先にしていただくための書類です。
労働基準監督署の立会いを当事務所で同行させていただき、T様のサポートをさせて頂きました。
アフターケア申請
また、同時にT様は股関節の疼痛を訴えておられましたので、アフターケア「健康管理手帳交付申請書」も提出しました。
労働基準監督署の認定日から1ヶ月ほど経った頃、「一時金支給決定通知」がT様に届きました。
また労働局からは、アフターケアの健康管理手帳も送られてきて、二重の喜びとなりました。
労災保険の障害補償給付と障害特別支給金の合計給付額は、350万円ほどとなりました。
今回のポイント
最近は、自賠責保険の等級認定が大変厳しく、可動域制限の数字が10級の基準を満たしていても、もっと低い等級の認定となることが多くなってきました。
そのため、まずは労災先行して、労災保険の等級認定を先にもらってから、自賠責保険の申請に進むのが良いのではと当事務所では考えています。
その後、弁護士に依頼をして民事上の賠償を進めることになりました。
労災保険の申請を会社が手続きを渋る時は、愛知労務の社会保険労務士が手続き代行をしております。
電話:0533-83-6612 (初回相談無料です)
担当:社会保険労務士 宮本 麻由美
相談メール:
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〇参考リンク
労災保険認定事例
厚生労働省「『アフターケア』制度のご案内」