尺骨鉤状突起骨折で労災保険14級認定(通勤途中)
文責 社会保険労務士 松井 宝史 最終更新日:2023.03.13
肘の骨折で14級認定
S様 30歳代男性
S様は、自転車で通勤している時、青信号で交差点に進入したところ、わき道から止まらずに左折進入してきた自動車に衝突され、左肘に尺骨鉤状突起骨折のお怪我をされてしまいました。
S様は、突起全高の50%以上の骨折をされたので、固定術のため入院を1週間ほどされ、その後はギプス固定を1ヶ月近くされていました。
尺骨鉤状突起骨折は、尺骨の肘の部分の鉤状になっている部分の骨折です。
肘関節の後方脱臼に合併することが多いと言われています。
突起した部分がどのくらいの位置で骨折したかによって重症度が違ってきます。
左手の肘部分の骨折なので、仕事もできないということで休んでおられました。
物を両手で持ったりする時に、肘に負荷がかかり仕事上で支障がでるとのことでした。
S様と面談をさせていただいたのは、事故から1年以上経った頃でした。
左肘の痛みが引かない
左肘の痛みがまだひかず、痛み止めの薬を服用していましたが、そろそろ治療終了と先生に言われているという時期でした。
治療は相手側の保険を使われていましたので、労災保険の手続きは何もしていませんでした。
6か月ほどの休業がありましたので労災保険の休業特別支給金と障害給付の申請をしようということになりました。
また、S様は障害認定については労災保険先行を希望されたため、至急書類の作成にとりかかりました。
まず第三者行為災害届の作成です。
交通事故証明書などは、愛知労務で相手側保険会社の人身担当者と連絡を取り入手しました。
また、相手側の自動車保険の情報も送っていただきました。
その後、障害給付支給申請書作成にとりかかりました。
相手側の保険会社から交通事故証明書や相手の方の保険の情報を入手しました。
休業特別支給金の申請のために、S様のお勤め先の担当者の方と連絡を取り合い、給与明細書、ボーナス明細書、タイムカードなどを手配して頂きました。
また、S様からは6か月間の相手側保険会社からの休業損害の支払い通知のはがきのコピーをいただきました。
労働基準監督署の現認に同行
労働基準監督署の障害等級認定は、愛知労務から社会保険労務士が1名同行させていただいました。
認定の時間が午前9時半でしたので、前泊して対応を取らせていただきました。
「身体の状態にかかる申立書」につきましては、事前に準備し、S様から聞き取りをさせていただき愛知労務の方でとりまとめをさせて頂きました。
レントゲンフィルムの件(CD)
認定日当日の持ち物は、レントゲン写真(負傷時と治癒時)、認印、「特別給与に関する届」などです。
特別給与(いわゆるボーナス)に関する届も、事前に準備できた時は、早めに労働基準監督署の担当官に送付しておきます。
最近は、レントゲン写真はCD等で病院が提供してくれますが、その場合は可能な限り事前に労働基準監督署送付となっています。
労働基準監督署の担当官がCDの事前の動作確認をするためだそうです。
また、事前に担当官に見てもらって、何等級になりそうか判断をしてもらうようにしています。
障害認定日より1ヶ月ほど経った頃、「一時金支給決定」の案内がS様のお手元に届きました。
等級につきましては、左肘の痛みで14級の認定となりました。
尺骨鉤状突起骨折(しゃくこつこうじょうとっきこっせつ)
尺骨(手首から肘にかけての骨)の肘に近い方の端の前方にある突起を、尺骨鉤状突起といいます。
交通事故などで転倒した際に地面に手を突いてしまうと、肘の脱臼に伴って尺骨鉤状突起が折れてしまうことがあります。
折れた骨がズレていない場合は保存療法で治るといわれています。
3週間ほど固定した後、症状をみながらリハビリを始めます。
S様は、大きく骨折していたので手術をすることになりました。
治りが良く、後遺症の心配もほとんどありませんが、痛みが残る場合があります。
大きな骨片がズレている場合は手術を行うそうです。
痛みが残る場合は後遺障害の申請をすることになります。
今回は、肘の痛みがかなりありましたので、障害給付の申請をすることになり、第14級の認定となりました。
尚、自賠責保険の後遺障害の認定は「非該当」になったという連絡をもらいました。
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何事もあきらめずに申請をすると等級が取れることがあります。
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電話:0533-83-6612 (初回相談無料です)
担当:社会保険労務士 宮本 麻由美
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〇参考リンク
労災保険認定事例
厚生労働省「『アフターケア』制度のご案内」