通勤災害死亡事故の事例(遺族一時金)示談終了後の請求

通勤災害死亡事故の事例(遺族一時金)示談終了後の請求

文責 社会保険労務士 松井 宝史 最終更新日:2025.02.07

通勤災害死亡事故の事例(遺族一時金)

一戸建ての建設現場で、梯子掛け作業をしている時、滑車を持って足場を昇るのに安全帯を掛けなおす作業中に足を滑らせて足場から落下して負傷をした方の労災保険の手続きをしました。

 

平成28年9月9日午後7時5分に勤務先の事務所から出て、すぐの優先道路に出る時に出合い頭の交通事故で、心臓破裂・出血性ショックにて即死の事故でした。

優先道路にわき道から出る事故のため、過失割合はこちらに8割の過失がありました。

愛知労務には、交通事故での民事賠償請求和解案が出て示談した後、労災保険の遺族一時金の申請依頼がありました。

お亡くなりになった方にはお子様が2名おり、それぞれ独立し別々に暮らしていました。

このような場合は、労災保険から遺族特別支給金(一時金)300万円が支給されます。

遺族特別支給金申請書と必要書類を添付して、事業所を管轄する労働基準監督署に提出しました・

後日、お亡くなりになった遺族の方と一緒に同行し、労働基準監督署に事故状況などを確認されました。

その時に、労働基準監督署の担当官は、この案件は「すでに示談をしているため、遺族特別支給金(一時金)のみしか支給されない旨を説明されました。

しかし、遺族一時金(給付基礎日額の1000日分)も給付されるのではないですか?と担当官に以下のことを質問しました。

まず、この方の民事賠償請求額の詳細を説明しました。

民事賠償請求額の項目に、死亡逸失利益があります。

その死亡逸失利益の金額が、労災保険の給付基礎日額×1000日分=9,000,000万円に満たない場合は、その差額が給付」されるのではないか?

先に第三者から損害賠償を受けている場合は、政府は労災保険の給付額からその額を差し引いて支給します(これを「控除」といいます。)。

① 死亡逸失利益の金額は、過失が8割のため約450万円でした。
② 給付基礎日額(約9,000円)×1,000円=9,000,000円
③ ②‐①=遺族一時金 450万円(差額)

しかし、労働基準監督署の担当官は、今まで民事賠償示談後に、遺族一時金の給付を担当したことがなく、その日はそのまま帰宅しました。

しかし、労災保険は労働者保護の見地から、遺族一時金が給付されるのではと疑念が残り、翌日、管轄の労働局に問い合わせをしました。

労働局の担当者に労働基準監督署に提出した書類一式を送付して、判断をゆだねることにしました。

1週間後、労働局の担当者より連絡があり、遺族一時金が給付される可能性があるため、遺族一時金の申請を改めて提出するように言われました。

労働基準監督遺書に遺族一時金支給請求書、第三者行為災害届、賃金台帳、民事賠償請求額等の書類を添付して申請をしました。

申請後、1か月経って労働基準監督署から(実際は東京の本部)から支給決定通内書が遺族の方に届きました。

遺族定額支給金・・・3,000,000円
遺族一時金・・・約4,500,000円
合計・・・7,500,000円

通勤災害の民事賠償示談後も、労働者保護の見地から給付があることがありますので、第三者行為に係る労災申請に精通した社会保険労務士にご相談ください。

労災保険の遺族一時金の時効は、労働者が死亡した日の翌日から5年となっています。


 

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