通勤災害(労災保険)のせき髄損傷に係るアフターケアについて解説
文責 社会保険労務士 松井 宝史 最終更新日:2023.02.04
せき髄損傷に係るアフターケア
せき髄損傷の方は、治った後においても排尿に困難を伴ったり、褥瘡(床ずれ)の予防などの措置を必要とすることがあるため、尿路の処置や褥瘡の処置、薬剤の支給、検査などを受けることができます。
アフターケアの対象者は、以下の条件に該当する方となります。
社会保険労務士 宮本麻由美
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1. せき髄損傷が治った方
2. 労災保険から障害等級第3級以上の障害(補償)給付を受けていて(または受けると見込まれ)、医学的に早期にアフターケアの実施が必要と認められる。
または、障害等級第4級以下の障害(補償)給付を受けていて、医学的に特に必要があると認められる方
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措置範囲
(1) 診 察 ・・・原則として1か月に1回程度
(2) 保健指導 ・・・診察の都度
(3) 保健のための処置
ア 褥瘡処置 医師が必要と認めた場合には、自宅等で交換のために使用する滅菌ガーゼ及び絆 創膏を支給することができます。
イ 尿路処置(導尿、膀胱洗浄、留置カテーテル設置・交換を含みます。)
医師が必要と認めた場合には、自宅等で使用するためのカテーテル、留置カテー テル(収尿袋を含みます。)、カテーテル用消毒液(洗浄剤及び潤滑剤を含みます )及び滅菌ガーゼを支給することができます。
ウ 薬剤の支給
① 抗菌薬(抗生物質、外用薬を含みます。) 尿路感染者、尿路感染のおそれのある方及び褥瘡のある方を対象とします。
② 褥瘡処置用・尿路処置用外用薬
③ 排尿障害改善薬及び頻尿治療薬
④ 筋弛緩薬(鎮痙薬を含みます。) 重症痙性麻痺治療薬髄腔内持続注入用埋込型ポンプに再充填する鎮痙薬を含み ます。
⑤ 自律神経薬
⑥ 末梢神経障害治療薬
⑦ 向精神薬
⑧ 鎮痛・消炎薬(外用薬を含みます。)
⑨ 整腸薬、下剤及び浣腸薬
(4) 検 査
① 尿検査(尿培養検査を含みます ) 診察の都度、必要に応じて実施 。
② CRP検査 1年に2回程度
③ 末梢血液一般・生化学的検査 1年に1回程度
④ 膀胱機能検査(残尿測定検査を含みます。) 残尿測定検査は、超音波によるものを含みます。 1年に1回程度
⑤ 腎臓、膀胱及び尿道のエックス線検査 1年に1回程度
⑥ 損傷せき椎及び麻痺域関節のエックス線、CT、MRI検査 医学的に特に必要と認められる場合に限り、1年に1回程度
上記内容については、厚生労働省アフターケア制度のご案内より引用しました。
アフターケアの健康管理手帳の申請は、治った日の翌日から起算していつでも申請ができます。
また、健康管理手帳の有効期間は、交付日から起算して3年間となっております。
また、更新による再交付は、更新前の手帳の有効期間が満了する日の翌日から起算して5年間です。
せき髄損傷で労災保険の障害給付の申請をして、3級以上ならば原則認められることとなり、4級以下の方は、医学的に特に必要と認められる場合はアフターケアが受けられることとなります。
愛知労務では、4級以下の方でも症状固定後に定期的な診察等が必要な方については、労働基準監督署の担当官と相談しながらアフタ―ケアの申請をしています。
今までに何度か申請が通ったことがあります。
月曜日~金曜日の午前9時~午後5時
電話:0533-83-6612 (初回相談無料です)
担当:社会保険労務士 宮本 麻由美
mail:maturom@mtj.biglobe.ne.jp
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〇参考リンク
厚生労働省「『アフターケア』制度のご案内」(外部サイト)