脳の損傷(高次脳機能障害)による後遺障害
文責 社会保険労務士 松井 宝史 2026.02.22
脳の損傷による高次脳機能障害になった場合の障害補償給付の等級について解説します。
脳の損傷(高次脳機能障害)による後遺障害の障害等級の認定
ア 高次脳機能障害
高次脳機能障害については、意思疎通能力、問題解決能力、作業負荷に対する持続力・持久力及び社会行動能力の4つの能力(以下「4能力」という。)の各々の喪失の程度に着目し、評価を行うこと。その際、複数の障害が認められるときには、原則として障害の程度の最も重篤なものに着目して評価を行うこと。
たとえば、意思疎通能力について第5級相当の障害、問題解決能力について第7級相当の障害、社会行動能力について第9級相当の障害が認められる場合には、最も重篤な意思疎通能力の障害に着目し、第5級の1の2として認定すること。
ただし、高次脳機能障害による障害が第3級以上に該当する場合には、介護の要否及び程度を踏まえて認定すること。
また、以下に掲げた高次脳機能障害に関する障害の程度別の例は例示の一部であり、認定基準に示されたもの以外の4能力の喪失の程度別の例については、別添2「神経系統の機能又は精神の障害に関する医学的事項等」(以下「別添2」という。)の別紙「高次脳機能障害整理表」を参考にすること。
なお、高次脳機能障害は、脳の器質的病変に基づくものであることから、MRI、CT等によりその存在が認められることが必要であること。
また、神経心理学的な各種テストの結果のみをもって高次脳機能障害が認められないと判断することなく、4能力の障害の程度により障害等級を認定すること。
高次脳機能障害 12級
(キ) 「通常の労務に服することはできるが、高次脳機能障害のため、多少の障害を残すもの」は、第12級の12とする。
4能力のいずれか1つ以上の能力が多少失われているものが該当する。
神経系統の機能又は精神の障害に関する障害等級認定基準(厚生労働省労働基準局長 基発第0808002号 平成15年8月8日通達から引用)
高次脳機能障害 14級
(ク) 「通常の労務に服することはできるが、高次脳機能障害のため、軽微な障害を残すもの」は、第14級の9とする。
MRI、CT等による他覚的所見は認められないものの、脳損傷のあることが医学的にみて合理的に推測でき、高次脳機能障害のためわずかな能力喪失が認められるものが該当する。
神経系統の機能又は精神の障害に関する障害等級認定基準(厚生労働省労働基準局長 基発第0808002号 平成15年8月8日通達から引用)

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