障害年金の受給要件とは

障害年金の受給要件とは

文責 社会保険労務士 松井 宝史 2024.01.06

障害年金の受給要件が一番大事です

トップダンサーは、下っ端のダンサーが見向きもしない基礎についてさえ、熱心に取り組んでいる。

偉大な者は、けっして基礎をないがしろにしない。

この言葉を心に刻んで、障害年金と労災保険の基礎を、もう一度勉強しようと思いました。

☆障害年金の受給要件

障害年金の受給を勝ち取るには、次の3つの要件を満たしていなければなりません。

その3つの要件を一つずつクリアーしてやっと認定へといたります。

①障害の原因となった傷病の初診日(一部発病日の場合があります)が、国民年金または厚生年金保険の被保険者期間にあること。

但し、20歳前に初診日がある場合は、そのことを証明できれば、国民年金または厚生年金保険の被保険者期間でなくてもよいことになっています。
初診日を証明するには、「受診状況等証明書」を初診の病院やクリニックで証明してもらう必要があります。

実は、この証明をもらうのが一番苦労することになります。

病院のカルテの保存期間が、5年となっています。

「患者の診療録にあっては、その完結の日から五年間とする。"」とされています。

診療日から5年ではなく、「完結の日」から5年間となります。

「完結の日」については明確な定義がありませんが、そのまま理解するならば一連の診療が完了した日となります。

病院やクリニックによっては、これ以上前のカルテも保存している場合もあります。

障害年金の申請を思い立ったら、年金事務所に行って「受診状況等証明書」をもらってきてください。

一番いいのは、勝敗年金申請を専門にやっています社会保険労務士の方に相談することです。

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社会保険労務士に相談にのってもらうことによって、受診状況等証明書の用紙が手に入りますし、場合によっては、その社会保険労務士の方が、あなたに代わって「受診状況等証明書」の証明を病院やクリニックにお願いしてくれます。

精神疾患などで、いくつも病院やクリニックを変わった人は、初診の病院やクリニックに「受診状況等証明書」を証明してもらいに行くのはハードルが高いと思います。

以前の病院やクリニックの先生とうまがあわず、転医した場合などは、その病院やクリニックに行くことはほぼ不可能だと思います。

第三者に任せて、初診日の証明を取ることを考えましょう。

就労移行支援事業所などの障害者福祉の事業所に通所している人は、その事業所の指導員やサービス責任管理者に相談にのってもらってください。

障害年金申請の相談と同時に、障害者手帳、精神障害者福祉保健手帳の取得サポートも積極的にやってくれるところがあります。

チャレンジド・アソウ
ハピネスジョブセンター

なぜ障害年金申請なのか

なぜ、障害年金の取得をお勧めするかは、障害基礎年金や障害厚生年金に認定されることによって、生活費の基盤が確保されることです。

令和5年ですと、障害基礎年金2級は、年795,000円です。

就労移行支援事業所に通所している方については、この障害基礎年金を受給することによって、就職する会社を、フルタイムでなくパートタイムで働くという選択肢も出てきます。

なかなかフルタイムで働くには、厳しいという人もいると思います。

発達障害の方にとっては、周りの人間関係の構築に苦労している方もいます。

そんな時に、パートタイムの短時間の勤務ならば、働く職場も広く探すことができるのです。

すぐに障害年金の申請をしようと思っていない人も、初診日の証明の「受診状況等証明書」の入手は、いまからでも取り掛かっておくことをお勧めします。

発達障害の子供さん(20歳になっていない方)をお持ちのご家族の方は、今のうちに手掛けておけばよいと思います。

何年も前の初診日の証明は、とても取りずらいものです。

この初診日の証明が取れないために、障害年金の申請を断念される人を何人も見てきました。

先日も2つのクリニックに電話で受診状況等証明書の証明をお願いしましたが、5年の保存期間を過ぎているので書けないと言われました。

マイナンバーカードの受診歴で祖受命できることを期待しています。

どうししても受診状況等証明書を入手できないときは

受診状況等証明書を取れないときは、「受診状況等証明書が添付できない申立書」を記入して、それを補完する書類を添付することになります。

精神疾患や発達障害の人などは、いくつも病院やクリニックを変わったりしますが、注意が必要です。

病院やクリニックを受診した場合は、領収書やお薬手帳などは、絶対に捨てないで保管しておきましょう。

コピーを添付すればいいので、スマホで写真を撮ったりして保存するのが一番いいのではと思っています。

①身体障害者手帳、養育手帳、精神障害者保健福祉手帳

上記の手帳のコピーを添付して申し立てをすることができます。

20歳前に上記の手帳を取得していれば、20歳前障害の申請では、初診日の証明に替えることができます。

手帳など取得しなくてもいいと思うご家族の方もいるかと思います。

でも障害年金の申請においては「あの時に取っておいて良かった」ということになります。

ですので、周りの支援員の方と相談して取得を目指してください。

② ①の時に提出した申請時の診断書

① の手帳を申請する時には、主治医の先生が証明をしてくれた「診断書」は必ずコピーを取っておいてください。

いつ申請をしたか日にちが分かるので、とても大事な書類となります。

診断書の控えが欲しい場合は、申請をした市区町村役場の窓口に確認を取ってみましょう。

③生命保険、損害保険、労災保険の給付申請時の診断書

病気やおけがで生命保険、損害保険、労災保険の申請をした時の診断書は必ずコピーを取っておいてください。

生命保険や損害保険の募集代理人の方は、診断書が本人やご家族から提出されましたら、コピーを取っておくようにご案内をしていただければと思います。

控えを入手するためには、生命保険、損害保険の方にお問合せをしてみてください。

どこで診断書がいるか分からないので、ちょっとした気遣いで、障害年金の申請につながるかもしれません。

労災保険申請の場合は、社会保険労務士の方が申請をした場合は、その方にお問合せしてください。

もしくは、労働基準監督署にどのように入手したらいいかお問合せください。

私どもの事務所では、過去の労災保険申請の書類の入手方法についてアドバイスができます。

うつ病などで労災保険申請をした場合などは、過去の診断書のコピーが入手できる時があります。

④ 会社等での健康診断の記録

会社で受ける定期健康診断の記録です。

いつ頃、数値が悪化して要精検になったかなどが分かります。

これも数値が悪くなったら、病院を受診することになるので、大事に保管をしておいてください。

会社を辞めてしまった方は、当時勤務していた会社へお問合せしてください。

⑤ 母子健康手帳

小さな頃の様子が記録されている大事な手帳です。

⑥ 健康保険の給付記録(レセプトを含む)

特に病気やけがになった時に請求する傷病手当金の申請や診断書、それと給付された時の書類です。

この給付記録でいつ病院にかかったかが分かります。

レセプトも開示請求できるので、必要があれば開示請求をしましょう。

時効は、原則として過去5年となっています。

⑦ お薬手帳、糖尿病手帳、領収書、診察券

可能な限り診察日や診療科目が分かるもの。

医療費還付請求などで使った場合も長期保存しておくことをお勧めします。

⑧ 小学校、中学校等の健康診断の記録や成績通知書

これについては学校にお問合せをしてみましょう。

⑨ 盲学校、ろう学校の在学証明・卒業証明

これについても学校にお問合せをしてみましょう。

⑩ 第三者証明

あとで詳しく記載する予定です。

⑪ その他

その他で参考となる資料の例です。

交通事故証明書

インフォームド・コンセントによる医療情報

サマリー(診療や治療経過を要約したもの)

次の受診機関への紹介状

電子カルテ等の記録(氏名、日付、傷病名等)が印刷されたもの

交通事故や労災事故などが記載された新聞記事

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