通勤災害のバイクでの自損事故
文責 社会保険労務士 松井 宝史 2022.02.27
通勤災害のバイクでの自損事故で労災保険を使った方がいいか?
会社へ行く通勤途中、雨のため路面が濡れており、カーブを曲がり切れずスリップしてガードレールにぶつかってけがをしてしまいました。
その時に、第一腰椎の圧迫骨折をしてしまいました。
任意保険会社の代理店の方から人身傷害保険が使えるという説明を受けました。
できれば、治療などは労災保険を使って欲しいと、人身担当者から電話がかかってきました。
どうしたらいいでしょうか?
回答:できれば労災保険を使って治療をすることをお勧めします。
今回の場合、実は、病院の治療で使える保険は、任意保険(人身傷害保険)又は労災保険のどちらかです。
通勤途中の事故なので、健康保険は使えません。
任意保険と労災保険の単価が違う
任意保険(人身傷害保険)の場合、治療の点数1点当たり約20円なのですが、労災保険の場合12円になります。
第一腰椎圧迫骨折の治療に任意保険(人身傷害保険)を使って200万円かかったとすると、労災保険を使えば120万円となります。
労災保険を使ったときは、労働基準監督署が病院に治療費120万円を支払いますが、後日その分を任意保険会社に請求をして回収をします。
保険会社の人身担当者が、あなたに労災保険を使って欲しいと言ってきて、あなたが労災保険で治療をするだけで保険会社は80万円治療費が節約できることになります。
これが保険会社側のメリットなのですが、あなたにも労災保険を使った時のメリットがあるのです。
治療の打ち切り
病院の治療を任意保険(人身傷害保険)を使った場合、保険会社の人身担当者は、治療費の圧縮を図るために早め早めに治療の打ち切りを言ってきます。
場合によっては、かなりしつこく言ってきますので、あなたがまだ良く治っていないのに「もういいや」と言って治療を打ち切ってしまうことがあります。
ところが、労災保険を使って治療をする場合は、保険会社の人身担当者は治療の打ち切りを言ってきません。
治療の打ち切りや終了を言ってくるのは、労働基準監督署の担当官となります。
労災保険は、公的保険なので治療の終了についてはあ、主治医の先生と連絡(文章などで)を取って進めていきます。
あなたが病院の治療をしっかりやりたいのであれば、労災保険を使うことをお勧めします。
あなた側のメリットです。