地球温暖化や大気汚染の対策として、世界ではガソリン車・ディーゼル車を規制し、走行中にCO2を排出しない電気自動車(EV)にシフトする動きが加速しています。
EV化が遅れていると言われる日本でも、2030年には新車販売台数のシェアはガソリン車・ディーゼル車の割合は半分以下となり、電気自動車が上回ることが見込まれています。
電気自動車はガソリン車に比べて部品数が圧倒的に少なく、ガソリン車には1台につき3万点もの部品が使われていますが、電気自動車ではそのうちおよそ4割の部品が不要になると言われています。
特にガソリンを燃焼させて動力を得るエンジンは電気自動車では不要となりますので、エンジン部品の製造メーカーはEV化によって大打撃を受けることが想定されます。
一説には、EV化によって国内部品メーカーの約300万人の就業者のうち、1割となる30万人の雇用が失われるともいわれています。
ホンダは栃木県にある四輪車エンジン部品工場を2025年末までに閉鎖することを決定しました。
工場には下請け、孫請け企業も多数連なっており、工場の閉鎖はこれらの下請け企業を直撃します。
今後、このようなことが業界全体に広がっていくことが懸念されています。
自動車部品の製造メーカーにお勤めの方は、今後の自分自身の身の振り方を今のうちに考えていく必要があります。
希望退職制度とは、会社が、主体的に退職をしてくれる従業員を募る仕組みです。
会社の業績が悪化し、固定費の削減のために人員整理をする段階になったとき、リストラの前段階としてこの希望退職の募集が始まります。
希望退職という名の通り従業員の意思が最優先されるため、会社側から退職を強制されることはありません。
ただし、希望退職に応じる従業員が思うように集まらなかった場合、リストラが決行される可能性が高いでしょう。
そのような厳しい状況にある会社に残るのか、それとも転職をするのか、一度立ち止まってしっかりと考えていきましょう。
あなたの勤める会社で希望退職が募集されたら、まずは自分が募集対象になるのかどうか確認しましょう。
希望退職は、従業員の年齢や勤続年数、所属部署などを一定の範囲に絞って募集するのが一般的です。
年齢は40歳以上、45歳以上とされるケースが多くなっています。
自分が募集対象に該当する場合、次は希望退職に応じた場合に得られる退職金を確かめましょう。
希望退職に応じると、ほとんどの場合、退職金が上乗せされます。
ここで十分な上乗せがあれば、当面の生活費の心配はなくなりますので、転職活動に専念できます。
また、希望退職に応じた場合は会社都合での退職扱いなので、自己都合での退職の場合に比べて、失業給付金の支給が早く開始する、より長い期間受給できるといったメリットもあります。
業績悪化による希望退職に応じたということであれば、転職活動の面接の場で離職理由を尋ねられたときに説明しやすくなります。
「リストラされた」と言うよりも「希望退職に応じた」の方が、自らの意思でステップアップを図り、ポジティブな理由で離職したというイメージを持ってもらえます。
今まで勤め上げてきた会社を離れ、転職するという決断には相当の勇気が必要かもしれません。
希望退職を募っている段階というのは、業績が悪化しているとはいえ、今すぐ会社が倒産するということではないので一旦落ち着いて考えましょう。
あなたが今までにやってきた仕事を振り返り、ノートに書き出してみてください。
そしてあなたが得意とする仕事、持っている資格やスキル、仕事上の成功エピソードを箇条書きで構いませんので書いていきましょう。
そうするうちに、もしも転職するのであればどのような仕事であればあなたの強みが発揮できそうか、はっきりしてくると思います。
そうしましたら転職サイトに登録し、あなたの希望する条件を入力してみてください。
気になる求人が見つかれば募集要項をよく読み、応募できそうな会社をピックアップしていきましょう。
自宅から通える範囲にいくつか候補となる求人があれば、気持ちも落ち着きます。
焦らず、落ち着いて今後を考えていきましょう。