労災保険のメリット制
文責 社会保険労務士 松井 宝史 2023.10.04
Q:労災保険のメリット制
回答です:会社で労災事故を頻繁に起こしていますが保険料は変わらないでしょうか?
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①労災保険料の算定方法の原則
労災保険の保険料は、適用される事業場ごとに、その事業場に雇用される労働者に対して支払われる賃金の総額に、その事業場が該当する事業の種類の労災保険料率を乗じて得られた額となります。
例えば、食料品製造業で、1年間の賃金総額が5,000万円の場合、労災保険料は、5千万円×6/1000で30万円となります。
したがって、労災保険率の見直しや賃金総額が変動しなければ、労災保険料は前年と同じになります。
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②労災保険料のメリット制
ところで、労災保険率は、同じ「事業の種類」で括られた事業グループ全体の保険給付の実績が基となって決定されるため、同じ事業グループ内にも労働災害を多発させている事業場と災害のない事業場が存在することとなり、災害の少ない事業場に不公平感や災害防止意識の低下が生じることになります。
労災保険の申請をする時に労働保険番号を記入しますので、それで集計が行われます。
そこで、保険料負担について個々の事業主の公平性の確保や災害防止努力の促進を図るため、一定の要件を満たす事業場(事業規模が中規模以上あるような事業場等)について、災害発生の状況(支払った保険料と支払いを受けた保険給付額の割合)に応じて、基本の労災保険率の値を最大40%増減させる仕組みを設けています。
このことをメリット制といいます。
なお、メリット制における対象事業場等の要件は継続事業、一括有期事業、単独有期事業によって異なっています。
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継続事業(一括有期事業を含む)の場合
(1)適用事業
連続する三保険年度中の各保険年度において、次の(1)~(3)の要件のいずれかを満たしている事業であって、当該連続する三保険年度中の最後の保険年度に属する3月31日(以下「基準となる3月31日」という。)現在において、労災保険に係る保険関係が成立した後3年以上経過している事業についてメリット制の適用がある。
(1)常時100人以上の労働者を使用する事業
(2)常時20人以上100人未満の労働者を使用する事業であって、その使用労働者数に、事業の種類ごとに定められている労災保険率から非業務災害率(通災及び二次健診給付に係る率:0.9厘)を減じた率を乗じて得た数が0.4以上であるもの
(3)一括有期事業における建設の事業及び立木の伐採の事業であって、確定保険料の額が100万円以上であるもの
(2)メリット収支率
労災保険率を上げ下げする基準は、基準となる3月31日において当該連続する三保険年度の間における当該事業の一般保険料の額から非業務災害率に応ずる部分の額を減じた額に調整率を乗じて得た額と、業務災害に係る保険給付及び特別支給金の額との割合により算出される収支率(メリット収支率)による。
詳しくは、「労災保険のメリット制について(概要)」厚生労働省のページを参照してください。
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参考ページ:特別支給金