転職した場合の出産手当金と育児休業給付金,出産育児一時金_転職ナビ

質問:転職の出産手当金と育児休業給付金、出産育児一時金

転職の場合の出産手当金と育児休業給付金、出産育児一時金について教えてください。

結婚して、6か月経ちました。

現在、正社員で働いている女性です。

現在の会社は入社して5年経ちましたが、結婚して転居したことにより通勤に1時間以上かかるようになってしまいました。

転居先に近い会社を探して転職しようか迷っていますが、出産手当金と育児休業給付金について気になっています。

子供もそろそろ欲しいと考えているため、事前に知識を得たいと思っています。

 

回答を以下にまとめました

文責 社会保険労務士 松井 宝史 2023.02.26

回答1:出産手当金(転職)について

会社を退職する場合、出産手当金を受給するためには以下の2点の要件をいずれも満たしている必要があります。

  1. 被保険者の資格を喪失をした日の前日(会社を退職した日)までに継続して1年以上の被保険者期間(健康保険任意継続の被保険者期間を除く)があること。

  2. 資格喪失時に出産手当金を受けているか、または受ける条件を満たしていること。

つまり、退職まで1年以上続けて勤務していて、かつ、退職日に産休を開始していれば、出産手当金を受給することができます。

産前休業は、労働基準法で決められていて、出産予定日(多胎妊娠でない場合)が1月20日とすると、産前休業は12月10日からとなります。

産前休業については、かならず12月10日から取らないといけないわけではありません。

この例の場合は、12月10日以降の一からとっても大丈夫です。

但し気を付けなければならないのが、退職日に出勤していると、退職後の出産手当金を受給できなくなる点です。

引継ぎなどで退職日も出勤を求められるケースがありますが、出産手当金を受給できなくなってしまうので注意しましょう。

妊娠して分娩予定日が分かったら、産前休暇をいつから取るのか職場の上司と打ち合わせをしましょう。

しばらく産休と育休を取って休むことになるので、事前に仕事の引き継ぎのための仕事のまとめをしておきましょう。

出産を理由に退職を強要することは、男女雇用機会均等法第9条違反となります。

男女雇用機会均等法に基づく紛争解決援助(厚生労働省のページです)

労働基準法第19条では、産前産後の女性が休業している間およびその後30日間は、原則として解雇できません。

少子高齢化がますます進む日本では、出産する女性を国としても絶対に守る必要があります。

産前休業(出産予定日前6週間、多胎妊娠の場合は14週間)で休業すると、あなたと会社の双方につき社会保険料が免除されます。産後休業も同様です。

会社の担当者が社会保険料の免除の手続きをしてくれます。

社会保険料免除の手続きの申請期限もありますのでご注意ください。

申請期限は、産前産後休業をしている間または産前産後休業終了後の終了日から起算して1か月以内となっています。

社会保険料の負担が免除される期間は、産前産後休業開始月から終了予定日の翌日の属する月の前月(産前産後休業終了予定日が月の末日の場合は産前産後休業終了月)までです。

例えば、出産予定日(多胎妊娠でない場合)が、1月20日とし、産前休業を12月10日から取り、1月20日に出産したとします。

産後休業は3月17日で終了です。

そうすると社会保険料免除は、12月~翌年2月までの3か月となります。

育児休業の社会保険料免除も別に手続きが必要です。

それと併せて、賞与が例えば12月8日に支給された場合も、12月10日から産前休業を取ると、賞与についても社会保険料の免除があります。

また、出産手当金は、産前分、産後分など複数回に分けて申請することも可能です。

ただし、事業主の証明欄については、毎回証明が必要です。

なお、医師または助産師の証明欄は1回目の申請が出産後であり、証明によって出産日等が確認できたときは、2回目以降の申請書への証明は省略可能になります。

転職活動中に妊娠が判明した場合は、転職活動は一時ストップした方がよいと思います。

業務の引き継ぎが早く済めば、産前休業に入る前に有給休暇を取る人もいます。

そのまま会社に残ることを選択すれば、社会保険、雇用保険からの給付が手厚く出ることになります。

出産手当金の申請で注意すること

出産手当金は、出産予定日以前42日前から、出産日の翌日以後56日目までの範囲内で、会社を休んだ期間に対して支払われます。

産前・産後休業の期間中、健康保険から1日につき、原則として賃金(標準報酬日額)の3分の2相当額が支払われます。

ただし、休業している間にも会社から給与が支払われて、出産手当金よりも多い金額が支給されている場合には、出産手当金は支給されません。

もし有給休暇が残っていて、時効で有給休暇を使う権利が消滅してしまう方は、産前休業に入る前に使うことも考えてみてください。

出産手当金は、原則として産後56日を経過してから申請をします。

出産予定日よりも遅く生まれた場合は、遅れた日数分も申請することができます。

出産予定日よりも早く生まれた場合は、実出産日の42日前から、遅く生まれた場合は、出産予定日の42日前から請求をすれば、請求忘れがありません。

その場合、出勤した日は、勤務状況欄で記入します。

その日の分はもらえませんが、請求漏れは防げます。

時給制の方の場合は、産前の期間、出勤日と出勤日にはさまれた公休日も支給対象となることがあります。

また、産休開始の翌日から2年を過ぎてしまうと、過ぎた日数分だけ受給額が減額されてしまいますので、注意が必要です。

尚、会社を退職することになった場合(期間雇用で期間満了となった場合など)、退職後の期間についても次の2点の条件を満たしていれば、退職後も引き続き出産手当金を受給できます。

①被保険者の資格を喪失した日の前日(退職日)までに継続して1年以上の被保険者期間(健康保険任意継続の被保険者期間を除く)があること。

②資格喪失時に出産手当金を受けているか、または受ける条件を満たしていること。(尚、退職日に出勤した時は、継続給付を受ける条件を満たさないために資格喪失後(退職日の翌日)以降の出産手当金が受給できません。)

退職日の出勤がないようにご注意ください。

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回答2:育児休業給付金について

育児休業給付金は、育児休業が終了した後に職場に復帰してくれることを前提とした給付金ですから、退職した場合には受給できません。

但し、育児休業を続けているうちに、子供の養育の関係などでやむを得ない事由で職場に復帰できなくなった場合は受給できます。

また、新しい会社に入社していたとしても、原則として育児休業開始前2年間に賃金支払基礎日数11日以上が12か月あることが要件となります。

つまり、入社してすぐの出産では育児休業給付金が受給できない可能性があるのです。

転職する場合は、この点にご注意ください。

但し、前の会社の被保険者期間が通算できる場合があります。

前の会社を退職して雇用保険の基本手当、再就職手当等の給付を受けていない場合です。

詳しくは、最寄りのハローワークにご確認ください。

通勤時間が長くかかるようになり大変な面もあると思いますが、あなたの場合はできればこのまま今の会社に勤務する方がいいと思います。

出産手当金については、全国健康保険協会の「出産手当金」のページに詳しく記載されています。

育児休業給付金については、ハローワークインターネットサービスの「育児休業給付金」のページをご確認ください。

育児休業給付は、原則子供が1歳になるまで支給されます。

また特別な条件が揃えば、1歳6か月、また2歳まで延長ができることになっています。

育児休業期間中に、臨時で就業した場合でも、就業日数が10日(10日を超える場合は、就業している時間が80時間以下)の場合は、職場復帰とはせず、その後休業であれば、支給要件を満たせば育児休業給付が支給されます。

育児休業期間中の就労については、十分注意して欲しいと思います。

育児休業給付の支給額は

質問:育児休業給付は、例えば1か月でどの程度もらえるのか、だいたいの金額を教えてください。

回答:育児休業給付の1支給単位期間ごとの給付額(※1)は、「休業開始時賃金日額(※2)×支給日数(※3)×67%(ただし、育児休業の開始から181日目以降は50%)」により、算出します。

正確な金額はハローワークにご提出した雇用保険被保険者休業開始時賃金月額証明書により、休業開始時賃金日額が確定し、算出されます。

育児休業給付金における1支給単位期間において、育児休業期間を対象とした賃金の支払いがない場合の支給額は、育児休業開始前6か月間の総支給額により、概ね以下のとおりです。

・平均して月額15万円程度の場合、育児休業開始から180日目までの支給額は月額10万円程度、181日目以降の支給額は月額7.5万円程度

・平均して月額20万円程度の場合、育児休業開始から180日目までの支給額は月額13.4万円程度、181日目以降の支給額は月額10万円程度

・平均して月額30万円程度の場合、育児休業開始から180日目までの支給額は月額20.1万円程度、181日目以降の支給額は月額15万円程度

※1 給付額には上限があります。
(令和4年8月1日以後の支給対象期間から変更)

支給限度額 上限額(支給率 67%) 301,902円 → 305,319円
上限額(支給率 50%) 225,300円 → 227,850円

また、育児休業期間中に賃金が支払われていると減額される場合があります。

※2 休業開始時賃金日額は、原則として、育児休業開始前6か月間の総支給額(保険料等が控除される前の額。賞与は除きます。)を180で除した額です。

※3 出生時育児休業給付金については休業期間の日数(28日が上限)、育児休業給付金における1支給単位期間の支給日数は、原則として、30日(ただし、育児休業終了日を含む支給単位期間については、その育児休業終了日までの期間)となります。

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回答3:出産育児一時金について

出産育児一時金の給付額の引き上げが決定し、令和5年4月1日から50万円となりました。

そもそもどのような制度かを解説します。

そもそも、「正常な出産」は健康保険の療養の給付(健康保険証を使っての治療)の対象にはなりません。

「自費診療」扱いであり、一時に非常に高価な費用が掛かるため、出産費用の補助として用意された制度が「出産育児一時金」です。

被保険者の出産の場合・・・出産育児一時金

被扶養者の出産の場合・・・家族出産育児一時金

会社を退職した場合の出産育児一時金

退職してご主人の扶養になった場合、条件が満たされていれば、自分が加入していた健康保険に対して出産育児一時金を請求することができます。

又、同時にご主人の方で、家族出産育児一時金の請求ができます。

この場合、出産育児一時金をどちらに請求するかは本人が選べることになっていますが、原則は、出産日に資格のある保険者に請求をすることになっています。

金額:50万円 (産科医療補償制度に加入していない施設での出産では48.8万円)

産科医療補償制度は、医療機関が加入する制度で、加入医療機関で制度対象となる出産をし、万一、出産時の何らかの理由により重度の脳性まひとなった場合の補償制度です。
健康保険での出産とは:妊娠4か月(85日)以上を経過した後の出産(死産等を含む(ただし、妊娠12週を経過していること))

早産、死産、流産、人工妊娠中絶等22週未満の場合は、48.8万円のみとなります。 

1児につき50万円ですので、多胎の場合は、50万円×胎児数 となります。

便利な直接支払制度について

出産費用として事前にまとまった額を用意しなくても済むのが「直接支払制度」です。

この制度は、出産育児一時金の金額を上限として、協会けんぽ・健保組合から医療機関に出産育児一時金を直接支払うものです。

この制度の利用を希望しない場合は、出産後に被保険者から協会けんぽ・健保組合に申請すれば、協会けんぽ・健保組合から被保険者に支給されます。

なお、正常分娩ではない場合は健康保険の療養の給付の対象となりますので、高額療養費の請求ができます。

帝王切開の場合も高額療養費の対象ですので、あらかじめ帝王切開と分かっている場合は、「健康保険限度額適用認定証」を準備しましょう。

質問:会社を退職しましたが、退職後に出産した場合でも在職中の健康保険での被保険者出産育児一時金を申請できますか?

答:次の要件をすべて満たしているときに資格喪失後の給付として協会けんぽから出産育児一時金を受けることができます。

  1. 妊娠4ヵ月(85日)以上の出産であること。
  2. 資格喪失日の前日(退職日)までに継続して1年以上被保険者期間(任意継続被保険者期間は除く)があること。
  3. 資格喪失後(退職日の翌日)から6ヵ月以内の出産であること。

※資格喪失後の給付は被保険者であった人の出産が対象となり、被扶養者であった家族の出産は対象外です。

「直接支払制度」を活用したい場合は、協会けんぽが発行する「健康保険被保険者資格喪失等証明書」を医療機関等へ提示する必要があります。

 

女性の方は、転職サイトに登録して情報収集をしておきましょう

結婚後、子供を持つことを希望している女性は、出産で忙しくなる前に転職サイトを見て求人情報を集めておきましょう。

出産・育児に理解ある会社かどうかも事前にチェックしておきましょう。

転職サイトの中では女性向けの「とらばーゆ」がお勧めです。

登録は、5分でできます。

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育児の法ちしき(社会保険労務士法人愛知労務のページです)

 

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