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就業規則の豆知識

解雇

セキレイ事件 東京地判平4.1.21
1.事案の概要
労働者は、会社の経営について非難中傷をし、会社と無縁の暖炉やログハウスを会社の見込み客に売り込み、顧客からの入金分の横領等の背任行為があったという理由により、入社から2ヶ月半後に懲戒解雇された。 労働者は、この懲戒解雇処分を不服とし、
(1) 解雇直前の未払賃金311,111円
(2) 解雇予告手当(1ヶ月分の賃金と同額)400,000円
(3) 未払解雇予告手当に関する付加金(労基法114条)400,000円
の支払を求めて、提訴した。
2.判決の要旨(主文)
労働者側勝訴(但し、賃金の計算方法について若干の相違がある。)
3.判決の要旨(理由)
労働者が作成した非行事実を認める書面は、会社の専務や部長等から殴る蹴るの暴行を受け全治10日の傷害を負わされた上、書面を書かなければ帰さないと言われてやむを得ず意に反して作成したものであり、この書面の記載内容には信用性がない。この書面以外に懲戒事由の存在を証明する証拠はなく、会社の懲戒解雇の意思表示は無効である。
会社の意思表示について通常解雇と見るにしても,解雇予告手当の支払がない以上解雇の効力は生じないことになる。しかし、会社が雇用関係を即時に終了させる意思を有していたことは明らかであるのと同時に、労働者においても雇用関係の即時終了の効力が生じることを容認し、解雇予告手当の支払を求めているのであるから、会社の雇用関係終了の意思表示によって会社と労働者の雇用関係は即時に終了し、会社には労働者に対して解雇予告手当を支払うべき義務が生じた。
4.解説
解雇を規制する法令としては次のものがある。
(1) 国籍・信条・社会的身分による差別の禁止(労基法3条)
(2) 業務上災害に関する解雇制限(労基法19条)
(3) 産前産後の時期の解雇制限(労基法19条)
(4) 解雇予告期間・解雇予告手当(労基法20条)
(5) 女性の差別取扱等禁止(均等法11条)
(6) 育児・介護休業を理由とした解雇の禁止(育児・介護休業法10条)
(7) 不当労働行為禁止(労組法7条1項1号)
(8) 監督機関に対する申告を理由とした解雇の禁止(労基法104条、安衛法97条、賃確法14条)
労基法20条の解雇予告に関しては、30日前の解雇予告も30日分の解雇予告手当支払もせずになされた解雇の効力を巡って、判例・学説は統一されていないが、上記事案は、労働者は、解雇無効の主張、または、解雇有効を前提としての解雇予告手当の請求のいずれかを選択できるものとして、労働者が職場復帰を希望せず雇用終了を争わずに労務提供を断念した場合において、使用者に解雇予告手当を支払うべき義務が生じたとする例である。


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