肺がんの障害認定基準
文責 社会保険労務士 松井 宝史 2021.08.26
肺がんの障害年金の申請のページです。
どのタイミングで申請の準備をすればいいか解説してみます。
肺がん
肺がんの種類
肺がんの種類は、大きく2つに分かれます。
そしてそれぞれについて、細分化されています。
①高悪性度神経内分泌細胞がん
小細胞がん
大細胞神経内分泌がん
②非小細胞がん
腺がん
扁平上皮がん
大細胞がん
特殊ながん・・・カルチノイド、腺様嚢胞がん、粘表皮がん
障害年金の申請
肺がんは、会社で年に1回実施される健康診断で発見されることが多いです。
単純胸部レントゲン検査では、背中側からレントゲンを照射する直接撮影で、肺全体を見ることができます。
主に、肺野型(末梢型)肺がんといって、肺の奥のほうにできたがんを発見するのに有効です。
その後に、CTなどの精密検査と進んでいきます。
そして肺がんが大きくなっていれば、外科にて肺の部分切除などが行われます。
手術となると、会社を休むことになりますので、健康保険の傷病手当金を申請していきます。
手術後の抗がん剤治療は、入院して投薬を受けますが、その後、自宅にて療養となります。
自宅療養となっても、会社で仕事をすることが難しい状態であれば、引き続き傷病手当金の申請を続けることになります。
会社の就業規則の私傷病による「休職期間」を確認しながら、復職ができそうか退職になりそうかを主治医の先生と相談しながら治療をしていくことになります。
肺がんは、進行の速いがんなので、発見された時点ですでに浸潤や転移が起こっている場合があります。
傷病手当金については、各月の標準報酬月額の平均した額の3分の2支給されます。
賞与の部分は支給されません。
支給期間は、支給を開始した日から1年6か月の期間ですが、令和4年1月1日以降は通算して1年6か月間支給されるようになります。
手術をして、会社を休みだしてから1年を経過したら、そろそろ障害厚生年金の申請を考えていきたいですね。
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肺がんの手術は、がんのある部分だけを取る「縮小手術」、がん細胞が隣の臓器にも食い込んでいる場合に、隣の臓器の一部も一緒に切り取る「拡大手術」、肺の機能を温存するために行う「気管支形成術」などがあます。
手術の結果、呼吸機能が低下します。
つまり呼吸困難になる方が多くなります。
肺がんによる全身衰弱が強いのか、それとも呼吸器の機能の障害が強いのかによって診断書が違ってきます。
肺がんの手術をされて、会社を退職されたり、通常の日常生活で介助が必要となれば、障害年金の申請を検討して下さい。
他の臓器へ転移した場合、1級、2級に該当する可能性があります。
また化学療法(抗がん剤治療)をしている方は、副作用などが発生しましたら障害年金の申請をご検討ください。
免疫チェックポイント阻害剤による免疫関連有害事象 Immune-Relf Immune Checkpoint Inhibitors
(大阪大学大学院医学系研究科呼吸器・免疫内科学)
障害年金の申請の準備
肺がんと分かった時点では、まず治療をどうやっていくかが大事です。
治療をするために、会社も休まなければならないと思います。
頭の中は、治療のことで一杯だと思います。
会社を休んでいる間は、給与が止まりますので、健康保険の傷病手当金の申請をして行くことになります。
会社の就業規則などを確認して、休職期間の期限も頭の片隅に入れる必要があります。
がん患者の就労支援を援助してくれる専門家は、社会保険労務士です。
治療を始めて1年経過した時点で、専門家に相談を受けるのがベストだと思います。
労災申請
職業性肺がんの代表的なものは、アスベストによるものです。
そのほかにも、ヒ素、クロム、ニッケルなどを扱う職業でも肺がんになるリスクがあります。
アスベスト(石綿)とは、蛇紋石や角閃石といった天然の石が繊維状に変化したものです。
日本では、高度経済成長期に断熱材として大量に使用されました。
ところが、この繊維を作業員が吸入してから15年~40年後に肺がんや中被腫が発症します。
建設業や製造業などアスベストに関わる仕事をしていた方が、肺がんや中被腫になった場合は、労災保険の対象となる可能性があります。
石綿(アスベスト)による肺がんの労災申請は、こちらのページを参照してください。
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