近年、ブラック企業が社会問題となっています。
長時間労働やパワハラなどが横行する劣悪な職場環境により心身を壊してしまい、休職や退職を余儀なくされたり、悲しいことに自死を選んでしまう方もいらっしゃるのが現実です。
私は実務として、ブラック企業で長時間労働やパワハラにより脳・心臓疾患や精神疾患を発症した方の労災保険申請を手掛けています。
ホームページを見て相談される方や弁護士の先生からの紹介で相談される方がほとんどです。
そのような方のお話を伺う度に、このようなことになる前に手を打つことができていたら…と悔しい思いをします。
このような状況を打開する道の一つが「転職」です。
転職しようと思うだけでも心が軽くなり、次の行動へとつなげることができます。
先日、職業紹介責任者講習を受けてきました。
私は有料職業紹介事業者ではないので、あくまでも情報提供のみとなります。
ですが社会保険労務士という仕事柄、顧問先の会社に労務管理のアドバイスをしていますので、労働安全衛生法などは得意としています。
ブラックな職場で苦しみながら働いていらっしゃる方に、情報提供をしていきたいと思っています。
どうぞ最後まで読んでいただければ、幸いです。
厚生労働省においては、ブラック企業について定義をしていません。
ですがブラック企業の一般的な特徴として、以下のようなことが挙げられます。
①労働者に対し極端な長時間労働や過酷なノルマを課す。
②賃金不払残業やパワーハラスメントが横行するなど企業全体のコンプライアンス意識が低い。
③このような状況下で労働者に対し過度な選別を行う。
上記のような特徴がある場合、ブラック企業であるといえます。
心身を壊してしまう前に転職し、また次の転職先はこのようなブラック企業ではない会社を選びたいものです。
この会社はブラック企業ではないかと察知した時点で転職を考えた方がよさそうです。
私どもの社会保険労務士事務所では、いろいろな方からの紹介で長時間労働やパワーハラスメントでうつ病などになった方の労災保険申請や傷病手当金申請を行っています。
また、長時間労働による脳・心臓疾患の労災保険申請も行っています。
脳・心臓疾患発症前1か月に100時間、または2~6か月間の平均で月80時間を超える時間外労働をしている場合、労災に認定される可能性が高くなります。
令和3年9月14日からは、上記の条件に「上記の水準には至らないがこれに近い時間外労働」+「一定の労働時間以外の負荷」がある場合、業務と発症との関連が強いと評価することが明示されました。
また、労働時間以外の負荷が見直されました。
それによると、勤務間インターバルが短い勤務や身体的負荷を伴う業務などが評価対象として追加されました。
勤務間インターバルとは、1日の勤務が終了してから翌日の出社までの時間をいいます。
勤務間インターバルには通勤時間も含まれるため、通勤に長い時間を費やしている人は、実質の休息時間がその分短くなってしまいます。
短時間の過重業務・異常な出来事についても明確化されました。
「発症前おおむね1週間に継続して深夜時間帯に及ぶ時間外労働を行うなど過度の長時間労働が認められる場合」等が例示されました。
なぜこのように長時間労働の脳・心臓疾患の労災認定基準を書くかというと、脳梗塞や心筋梗塞になると重い障害が残る場合が多いからです。
脳梗塞などの後遺症としてもっとも多くみられるのは、身体の一部に起こる麻痺です。
麻痺も、ほとんど動かせない重篤なものから、細かい動きがしにくい程度の場合もあります。
場合によっては、死亡という例もあります。
いずれにしても脳梗塞や脳出血の場合は、今までの仕事が続けられなくなります。
長時間労働は、毎日繰り返すうちにだんだんと慣れてきてしまいます。
しかし身体は悲鳴を上げています。
うつ病になったり、脳・心疾患を発症したりしてしまいます。
そのことに気付かないまま、あるいは気付いていても休むことが許されず働き続けた結果、ある日突然脳梗塞や心筋梗塞になって倒れてしまいます。
ブラック企業に入社してしまい長時間労働をさせられた場合、この月平均80時間を目安にしていただき、2か月以上続いた場合やこれが改善されない場合は外部の関係機関などに相談しましょう。
そして、仕事をしていて身体が重いな、だるいなと感じた時は、どんな理由をつけてもいいので会社を休んでください。
会社を休んだ後は、転職を視野に入れてください。
少し休んだからまた頑張れそうだな、と思っても、無理は禁物です。
少しでも疲れが残っている場合は、もうすでに過重労働で心と身体が痛めつけられています。
何よりも大切なのは、あなたの心身の健康です。
私共の事務所で労災申請のお手伝いをさせて頂いた方の中には、脳出血で倒れてしまい、障害等級1級に認定されることとなってしまった方もいらっしゃいます。
重い障害が残ってしまうと、一生不自由な生活を送ることになります。
私が転職サイトを作ったのは、このような方が一人でも少なくなるようにという思いからです。
世の中には会社は星の数ほどあります。
あなたが充実した職業生活を送れる会社が必ずあるはずです。
今いる会社がすべてではありませんので、一度休んで今後どうするか考えてみましょう。
2020年4月、すべての会社で時間外労働の上限は原則として月45時間、年360時間とし、 臨時的な特別の事情がなければこれを超えることはできないと労働基準法により定められました。
月45時間の中には、休日労働も含まれます。
また、臨時的な特別の事情がある場合であっても、年720時間、複数月平均80時間、月100時間を超えた場合は法律違反となります。
もしもあなたが月80時間を超えるような時間外労働・休日労働を余儀なくされているようでしたら、要注意です。
翌月も同様に月80時間を超えるようであれば、職場の上司に残業時間を短縮する方法の指導を願い出てみてください。
ブラック企業ではそのような指導はしてくれないでしょう。
そのような会社には早々に見切りをつけ、すぐにでも転職の準備に入りましょう。
長時間労働を続けていると疲労が蓄積されていきます。
持病のない健康な方であったとしても、このような疲労の蓄積により脳血管疾患、心疾患等を引き起こし、最悪の場合、過労死となってしまいます。
まして、高血圧の持病を持っている方などは尚更リスクが高くなります。
健康診断でメタボと言われた方は要注意です。
私は社会保険労務士として、過重労働によるうつ病の労災保険申請を請け負っています。
相談件数は年々増加する一方です。
現在長時間労働を強いられている方、ご自身の健康を守るため、退職又は転職を決意していただきたいと思います。
Q:長時間労働できついです。転職活動をどう始めたらいいでしょうか。
転職サイトを検索してみると、「登録はカンタン!」だとか「5分で登録完了できます!」と謳われています。
確かに心も体も健康なときであれば、簡単なことです。
ですが、長時間労働を続けていたらどうでしょうか。
深夜に仕事を終え、へとへとになって家に帰り、すぐにバタンキューだと思います。
ひどい場合は食事をとる気力も残されていないでしょう。
そして、翌日も早く起きて会社へ出かけていく毎日となります。
そうなると心の余裕がなくなり、転職サイトを見る時間もなくなってしまいます。
そのような追い込まれた状況になってしまう前に【DODA】(PR)などの転職サイトに登録し、あなたにあった求人情報を集めておくだけでも心の余裕が出てきます。
通勤時間が長いせいでより一層、睡眠時間が少なくなってしまっているという方には、リクルートが運営する地域密着型の転職サイト【はたらいく】(PR)をお勧めします。
転職サイトに登録する際は、あなたの今までの職歴やどのような仕事をしてきたかという職務経歴を登録していきます。
また、どのような職種を希望しているかも必要となってきます。
そのようなことを整理して入力していくのも、時間と心の余裕が無いと難しくなってしまいます。
長時間労働が慣習化してしまう前に登録しておきましょう。
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☆あなたが気持ちよく働ける職場を探していきましょう
転職サイトに登録する目安は、月45時間を超えた残業・休日労働が発生した時です。
会社の36協定で月45時間を超えることができる回数は1年間で6回までとなっています。
転職サイトは、リクルートが運営している地域密着型の求人が多い【はたらいく】(PR)がいち押しです。
登録は無料ですし、運営しているリクルートから電話のアプローチも一切ありません。
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パワハラについて
上司から蹴られる、書類で頭を叩かれる、暴言を吐かれる、必要以上に叱責される等のパワハラで悩まされている方も多いかと思います。
辛い思いをしていても、相手は上司ですし、言い返すことはなかなかできないと思います。
そもそもパワハラをしてくる上司は、誰彼構わずパワハラ行為をしているわけではありません。
温厚で言い返してきそうにない相手をターゲットに選んでパワハラ行為をしているのです。
パワハラ上司はあなたがおとなしく、何も言い返してこないから調子に乗っているのです。
まず上司の暴言が始まったら、なかなか言いにくいと思いますが「そんな言い方はパワハラです。やめてください。」と言い返してみてください。
厚生労働省のホームページのパワハラ動画でも、そのことを推奨しています。
あかるい職場応援団(厚生労働省サイト)
それでもなお暴言がやまない場合は「今からの発言は録音させていただきます。」と伝えましょう。
会社内にパワハラの相談窓口を設置することが法律で義務づけられました。
ですので、早め早めに相談窓口に行って話をしてください。
一人で行きにくい時は、いつもあなたがパワハラされているのを目撃している職場の仲のいい同僚と行ってみてください。
また、外部の相談窓口である「ハラスメント相談窓口」に相談をすることも検討してみましょう。
電話はもちろん、メールやSNSでの相談も無料で受け付けています。
パワハラをする上司ほど、本当は自信がなく気が小さいということがあります。
そんな上司が、なめていた相手から反撃されれば、ひるんで逃げていくかもしれません。
そして、その出来事をパワハラ上司のもう一つ上の上司や会社の人事部門に相談しましょう。
それでもその上司のパワハラがおさまらない場合は、今後も変わらない可能性が高いでしょう。
すぐにその上司から距離を取ることを考えてください。
部署異動を願い出るのも一つの方法ですが、パワハラが横行する会社というのは体質として、他部署でも同じようなことが行われている可能性もあります。
そのような場合の選択肢の一つが、転職です。
最寄りの労働基準監督署の総合労働相談の窓口です。
総合労働相談コーナー(厚生労働省)
転職先が見つかってから退職するのが一番ですが、気持ちが折れてしまった場合は、退職してから転職でも構いません。
適応障害やうつ病になってしまったり、ストレスから身体を壊してしまうこともあります。
その場合、治療に長い時間を要することになります。
うつ病になってしまうと正常な判断ができなくなり、パワハラ上司から逃げることもできなくなってしまいます。
そうなる前に行動を起こし、自分の身を守りましょう。
退職することや転職することを家族の人と話し合ってください。
なにかいい方法が見つかるかもしれません。
パワハラ職場の場合、どのように対処していけばいいか
適応障害やうつ病で休んだ場合、健康保険の傷病手当金の申請をしていきます。
上記のページをご参考ください。
会社の休職期間が満了してしまうと、退職となってしまいます。
退職してからの転職活動は、なかなか内定がもらえないと気持ちの余裕がなくなって来てしまい、精神的にとても厳しいです。
転職活動の際、応募先の会社の面接でブランク期間についての状況を聞かれます。
その質問に「適応障害で治療をしていました」と答えると、面接の担当者に対してネガティブな印象を与えてしまいかねません。
「うちの会社に入ってからも、また同じ状況になった時に休むのでは」と思われてしまいます。
一番いいのは、適応障害の初期の症状が出た時点で転職を考えることです
なんとなく会社に行きたくないと感じた時、会社に向かうのが辛く憂鬱だと感じた時がタイミングです。
なんとなく心がブルーになったら転職サイトの登録をしましょう。
転職サイトに登録するだけでも心が落ち着くことがあります。
適応障害になる人の割合は女性に多いと言われています。
今の職場が嫌だと思ったら、転職に舵を切りましょう。
転職を目指す多くの女性が利用しているのは
女性のための転職サイト『とらばーゆ』(PR)です。
リクルートが運営しているので安心して利用できますし、登録はもちろん無料です。
会社に行きたくないと感じた日は、無理をせず会社を休んでください。
そして自分の今までの仕事の振り返りをする時間を取って、職務経歴書を作ってみてください。
☆多くの女性転職者が利用しているのは【
とらばーゆ】(PR)
☆転職サイトに登録することによって心が落ち着きます
☆月・木曜日の週2回更新される求人情報があなたのもとにメールで送られてきます
意外と多くの求人情報があることに驚かされると思います。
転職に向けて何か行動を始めたという事実が、あなたの心を軽くしてくれます。
すでに適応障害になってしまい会社を休業している場合はどうするか
まずは適応障害の治療が第一優先です。
特に最初の1か月は、仕事のことや転職のことは考えてはいけません。
またそのようなことを考える余裕もなくなっています。
メンタルクリニックの主治医の先生の治療方針に従いましょう。
治療も進み、安定期、活動期になったら主治医の先生の許可をもらって転職活動をスタートさせましょう。
転職サイトに登録したからといって、すぐに行動に移す必要は全くありません。
メールで送られてくる求人情報を眺めているだけで十分です。
そして、主治医の先生から転職活動をしてもいいよと許可が出たら、いままで見ていて中で気になる求人に応募していきましょう。
できるだけ今までの仕事のスキルが活かせる職種を選んでいきましょう。
慣れた仕事、慣れた職種が一番です。
その方が、面接が通り易いはずです。
面接の時も、面接担当者との受け答えもしやすいはずです。
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☆十分に練習、下準備をしてから面接に臨みましょう
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うつ病で自死された方の労災保険申請
うつ病で自死された方の労災保険申請を一度だけさせていただいたことがあります。
だいぶ前の申請なので記憶があいまいな箇所があり、内容は正確ではないかもしれません。
また、事実のまま記載することもできませんので歪曲した部分があるかもしれませんが、パワハラ被害で自死を選んでしまう方を一人でも減らしたい気持ちで当時を振り返ってみます。
亡くなられた方は、上司のパワハラでうつ状態となり、メンタルクリニックを受診しました。
近くの病院では、職場にうつ病であることが分かってしまい不都合があるということで、ご自宅からかなり離れたメンタルクリニックを受診されました。
症状は一進一退でなかなか全快となりません。
そのような状態が続き、結局会社を退職されました。
退職した後も治療を続けながら、非常勤のような形で就労されていました。
そんなある日、自死をしてしまいました。
病院の治療もむなしく息を吹き返すことはありませんでした。
ご遺族の方から、労災保険の遺族補償一時金の申請依頼を承りました。
上司のパワハラの状況を説明できる証言を集めて申請をし、労働基準監督署の担当官のご尽力で労災認定へと結びつけることができました。
今まで、うつ病などの精神疾患の労災申請を何件か手掛けさせていただきました。
労災と認定されない場合の方が多く、いつも悔しい思いをさせられてきました。
なかなか労災認定とならないのは、証人や証拠不足によるものだと思っています。労働基準監督署の担当官の調査も、会社側の抵抗にあうと、どうしても証拠をつかむことができません。
労災申請をしている被災労働者(うつ病などになった方)が訴えている事実を証明できる証人や証拠がどうしても集めることができないのです。
私のこのような経験から申し上げられることは、何よりも、あなたの心と体をご自身で守ってほしいということです。
そのためには、辛いと感じたら転職に向けて行動を開始することです。
会社を辞めることは「逃げ」ではありません。賢明な選択なのです。
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文責 社会保険労務士 松井 宝史 2023.02.12
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